2020年度の活動報告
こんにちは!広報スタッフの島越です。
先日の記事では、みやっこベース設立からこれまでに至る8年間の活動をご紹介しました。(厳選して紹介したつもりが、かなりの超大作になってしまいました...笑)
▼過去8年間の活動報告はこちら
前編:https://note.com/miyakkobase/n/n91f968d3502a
後編:https://note.com/miyakkobase/n/n38da2a621508
今回は、2020年度の活動報告です。
なかなか活動を発信できていませんでしたが、昨年もたくさんの事業を行いました。
新型コロナウイルスの影響で中止にせざるを得ない事業もある中、オンラインツールを活用して実施できた事業も。今後の可能性を広げることができた一年でした。
今回も写真多めでお伝えしていきたいと思います!
宮古北高校「総合的な探究の時間」
■活動期間
2020年5月〜11月
■プロジェクト概要
2019年度から携わっていた宮古北高校の「総合的な探究の学習」。2020年度から本格的にみやっこベースで担当しました。
「みやっこベースの8年間を振り返る(後編)」では、授業の一つ「ジョブシャドウイング」をピックアップし紹介。しかし、それ以外にも学年ごとに合わせた以下のプログラムを実施しました。
①たろう魅力発信プロジェクト(1年生対象)
3つのテーマ「自然」「人」「産業」に分かれて、宮古北高校が立地する田老地区のフィールドワークを実施。地域の大人たちにインタビューし、田老地区の魅力を調査します。フィールドワークで感じた魅力を言語化し、模造紙にまとめて発表しました。
②たろう活性化プロジェクト(2年生対象)
田老地区で働いている人や生活している人を対象に、地区の魅力や課題をヒアリング。その結果をもとに、地域をよりよくする企画を高校生の立場で考えました。地域の方々の生の声を聞いたことで、リアルな課題と具体的な解決策が提示されました。
③進路個別サポート(3年生対象)
進学希望の生徒に対し、個別の進路サポートを実施。自分の将来像を明確にするため、地域で働く大人の方の話を聞いたり、インターネットでのリサーチを行い、進学先で学びたいことやその後の人生の目標について深く考える機会を作りました。
■成果・参加者の声
1、2年生を対象にしたアンケートでは、9割以上の生徒が「田老の魅力」「田老の課題」を知ることができたと回答。こんな嬉しい感想もいただきました!
・「最初思っていたより良いことばかりで、とてもすてきな町だと思った」
・「地域の課題点などを見つけることができた。これからもボランティアなど参加していきたい」
・「将来地元で仕事をしたいと思っているので、地元に貢献できるように、これからの高校生活である活動をがんばっていきたい。」
・「自分たちで田老をよくしていきたい。」
このように、地域に対する愛着や主体的な想いが生まれた生徒もいたようです。彼らの今後の成長が楽しみですね!
■ここだけ裏話
田老地区(旧田老町)が宮古市と合併したのは2005年。これまで市内主要部を中心に活動してきたみやっこベースにとっては、あまり足を踏み入れていない地域です。しかし、協力いただいた地域の皆さんはとても協力的で、快く受け入れてもらったことが印象的でした。また、みやっこベースとしても活動の幅を広げる機会になりました。
#ウミネコミヤコの潮風便
■活動期間
2020年6月〜12月
■プロジェクト概要
市外に住む宮古市出身学生に、宮古の特産品を贈る「#ウミネコミヤコの潮風便」。宮古市の業務委託を受け、みやっこベースで企画運営を行いました。
この事業は、新型コロナウイルスの影響で生活に不安を抱く市内中学校・高校を卒業した学生と、市内事業者を応援する企画。親元を離れて暮らす学生に、宮古の魅力が詰まったギフト「#ウミネコミヤコの潮風便」を無料でお届けしました。
セット内容は下記の4種類。
・調理不要ですぐに食べられる常温便「せっこぎセット」
・広い宮古の魅力が満載のチルド便「なんだりかんだりセット」
・一人で贅沢に食べられる海産物冷凍便「よくたがりセット」
・友達にシェアしたくなる海産物冷凍便「おあげんせセット」
なんと、いずれも送料込1万円相当の内容が詰まっているという豪華さ。宮古市の若者への愛情を感じますね!
■成果・参加者の声
合計709人の学生に届けることができました。
事後アンケートでは、95%の学生がセット内容に満足と回答。98%の学生が、今後もこのような「食品ギフト」があれば申し込みたい、と回答しました。
・「コロナで帰省できない分、宮古の温かさを感じてとても嬉しい気持ちになった」
・「宮古にいても食べたことがない食品がたくさん入っていて、”宮古にはこんなにたくさんの美味しいものがあるんだ”と再発見することができた」
・「友達と一緒に食べた。友達から羨ましがられ、地元を誇らしく感じた」といった感想もあがりました。
さらには、SNSに投稿してくれた学生も!運営側も嬉しい気持ちになりました。
■ここだけ裏話
実はこの事業、みやっこベースOBOG5名が企画運営に参画しました。「#ウミネコミヤコの潮風便」というネーミングをはじめ、セット名、届ける商品、メッセージカードなどもOBOGのアイディアをもとに実現。
学業や仕事の傍ら毎週打ち合わせを行い、「どんなものを送れば喜ばれるか?」「どんな情報・メッセージを送ったら喜ばれるか?」を若者目線で考え続けました。少し先輩であるOBOGたちの想いが届いていたら嬉しいです。
実践型インターンシップコーディネート
■活動期間
夏期:2020年8月〜9月
冬期:2021年2月〜3月
■プロジェクト概要
震災からの復興と並行して新たな挑戦の地になるべく、2018年から開始した「実践型インターンシップ」。みやっこベースでは3年連続で、学生と地元受け入れ企業をつなぐコーディネートを担当しました。
受入企業として手を上げてくださったのは30-40代の若手経営者の方々。震災後に会社を受け継いだ方や自ら起業した方など、いずれも地域を盛り上げようという情熱を持っています。
2020年度は新型コロナウイルスの影響もありオンラインでのを中心とした実施を余儀なくされましたが、皆さんの右腕となってプロジェクトを成功させようと、全国から熱意ある学生が集結。1-2ヶ月間のプロジェクトに参画しました。
参加者の中には、コロナ禍で入学以来一度も大学に行ったことがない学生も。チャレンジできる場を求め、モチベーションの高い学生が多く集まりました。
実際に、学生たちと共に下記のプロジェクトが実施されました!
・ホタテの魅力を広めるオンラインイベント
・ECサイト「みなとの百貨店」の立ち上げ準備
・印刷会社としてできる地域の課題解決プロジェクト
・大学生の採用に向けたオンラインインターンシップ企画
・顧客コミュニケーションを活性化させるためのLINE公式アカウント立ち上げ
・コロナ禍でのゲストハウスの在り方考案(マイクロツーリズム開発、お試し移住プラン)。
■成果・参加者の声
夏期は完全オンラインで、冬期はオンラインと現地受け入れのハイブリット型で実施。のべ13社、35人の学生が参加しました。
<経営者の声>
・「自社のビジョンや事業目的を学生に分かりやすく伝える機会が増え、目指す先がより明確になった。同時に、社員にはあまり伝えていなかったことに気付かされた。」
・「緊急度は低いが重要度が高いことに着手できる良い機会となった。」
・「仮説検証の機会として、新規事業の可能性を探ることができた。」
<学生の声>
・「メディアで報道されているより前向な人が多い。経営者たちの地域を盛り上げようという熱い想いが伝わってきた。」
・「ローカル情報・人柄など、宮古は掘れば掘るほど面白かった。」
・「会社で新たなプロジェクトを進めることの難しさが分かった。」
・「事業開始に向けて継続的に事業サポートがしたい。宮古市との関係人口であり続けたい。」
■ここだけ裏話
2020年度の春・夏の2回は、新型コロナウイルスの影響でやむなくオンラインで開催することに。期間中宮古に来れなかった反動なのか、学生たちは宮古に行きたい欲が増した様子。
コロナの感染状況が落ち着いたインターン期間終了後、実際に宮古に遊びに来てくれました。宮古を満喫し、より宮古愛が深まったようです。
TENDENKOクラブ
■活動期間
2020年9月〜2021年3月
■プロジェクト概要
宮古市内の高校生が小学生に防災の経験や知恵を伝承していく「TENDENKOクラブ」。主催はNHK盛岡放送局、みやっこベースは現地サポートを担当しました。
宮古市内の10名の高校生がメンバーとなり、9月から活動開始。第1回は、NPO法人プラス・アーツの永田宏和さん、佐々木真琴さんを講師としてワークショップが開催されました。
その後、田老の「学ぶ防災」ガイドツアーに参加し、田老地区の現状や震災当時の状況などについてお話を伺った高校生たち。地域の方々へのヒアリングを重ねてテーマを決定し、防災教育の教材づくりに励みました。
そして震災から約10年の3月9日、宮古市立磯鶏小学校で防災の授業を実施。低学年には人形劇、中学年にはカードクイズ、高学年はクイズを取り入れた「”なまずの学校”」を行いました。高校生の目線から、児童たちへ防災の大切さを伝えました。
■成果・参加者の声
<参加者の声>
・「震災から10年が経ち記憶がなくなってきていたが、小学生に伝えるための教材づくりを通して自分自身学ぶことができた。本番でも小学生のみんなが楽しそうに授業を受けてくれて、すごく嬉しかった。なかなかない経験ができ、参加して本当に良かった。」
・「震災から10年。経験者として私がすべき事は「忘れない」だけでなく「伝える」ことなんだとこの活動で感じた。震災に向き合いきれなかった過去を捨て、教師の夢にも大きく影響したこの大切な時と新しい自分を忘れずにこれからも自分らしく生きていきたい。」
■ここだけ裏話
NPO法人プラス・アーツの佐々木真琴さんは、みやっこベースのOG。自身も高校時代から紙芝居を作り、震災を風化させないための活動をしてきました。今回、社会人として高校生をサポートする立場に。
「実は、企画段階では岩手県内のどこかでという話で、開催地域は未定だったんです。しかし、あれよあれよという間に宮古市での開催が決まりました。市役所やみやっこベースなど今までお世話になったたくさんの人と関われて感慨深かったです。今後も頑張ります!」と佐々木さん。
今でも防災の活動に取り組む佐々木さんの今後の活躍が楽しみですね!(今後インタビュー記事作成予定です。お楽しみに!)
▲佐々木さんへのヒアリングの様子(NHK盛岡放送局「TENDENKOクラブ」HPより)
地域中小企業人材確保支援等事業(中核人材確保支援能力向上事業)
■活動期間
2020年10月〜2021年2月
■プロジェクト概要
中小企業における中核人材(社長の右腕となる人材)の不足という全国的な課題を解決するべく、中小企業庁が進めている事業。支援機関の一つとして参画しました。
市内の支援機関(商工会議所、金融機関、みやっこベースなど)が協力しながら中小企業への個別支援も実施。今後、支援機関同士の連携や、中小企業への支援強化が課題であると感じた事業でした。
全国高校生マイプロジェクトアワード 岩手県Summit
■活動期間
2021年2月
■プロジェクト概要
「マイプロジェクト」とは、身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶ、実践型探究学習プログラム。
「マイプロジェクトアワード」は、それらを実行した全国の高校生が一堂に会し、プロジェクト活動を発表する日本最大級の学びの祭典です。
みやっこベースでは、副理事の中沢、みやっこベースOB/宮古市地域おこし協力隊の吉浜知輝くんが実行委員(ファシリテーター)として参加。高校生の学びをサポートしました。
【番外編】OG 坂下聡実さんがみやっこベースをテーマに卒論研究!
■活動期間
2020年4月〜2021年3月
■プロジェクト概要
東北芸術工科大学4年(当時)、みやっこベースのOGでもある坂下聡実さんが、みやっこベースをテーマに卒業研究をしてくれました。
テーマは、「地域内外を越えたコミュニティデザインの可能性-NPO法人みやっこベースとそのOB・OGの関係人口に着目して-」。
人口減少が進んでいる地方の1つ、岩手県宮古市。地域活動を行ってきた若者は地元を離れた後も関係人口になる可能性が高いという仮説を立て調査・研究しました。
実は、デザインの分野でみやっこベースを手伝ってくれている聡実さん。今度、インタビュー記事作成予定です。お楽しみに!
おわりに
いかがでしたか?
コロナの影響を受けつつも、事業の幅が広がった一年でした。
今年度はどんな一年になるのやら...?楽しみですね。
▲岩手日報にも取り上げていただきました
また、OBOGが大学生・社会人としてみやっこベースに関わることが増えてきました。本文中でもお伝えした通り、今後、OBOG含めみやっこベースに関わる《ひと》に着目したインタビュー記事も企画中です。
そちらもぜひお楽しみに!
【いいな、と思った方へ】
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【お問い合わせ】
NPO法人みやっこベース
メール:miyakko.base@gmail.com
電話 :0193-77-3809
HP :https://miyakkobase.org/