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ベストな選択への探求〜正義も悪も無い世界で人間がやること〜

人生の中で「ベストな選択とは?」を迫られることは何度かあります。
進学・就職・結婚・家庭・ビジネス・病気…
人によっては「大きな決断」とか「一世一代の決断」なんて言葉を使うかもしれません。

数年に一度、
数十年に一度の選択です。

そんな大きなものを、今僕たちは月次・週毎・日毎で行っています。

目に飛び込んでくる情報の多くは、刻一刻と「正しいもの」「正しく無いもの」と反復横跳びをするかのように変化しています。

今僕は介護施設の経営に携わっています。
ニュースでよく特集される「医療」「飲食」「IT(リモートワーク絡み)」などと違い、なかなか世間の目に留まらないのが現状です。
例のウイルスのことが少しずつ明らかになってきている中で、当初から変わらないことの一つに「高年齢層・基礎疾患者のリスク」があります。

介護施設に通われている利用者さんは平均年齢80歳前後で、基本的に全員が何らかの基礎疾患を有しています。
つまり、例のウイルスにおける「高リスク者」のど真ん中にいる人たちの集団なのです。

「リスクが高い」と「営業しない」?

”リスクが高いってことは、営業しない方がいいってこと?”

こんなふうに思っている介護事業者は五万といます。
僕もその1人”でも”あります。

一方で、

”うちは、ちゃんとやってるから営業するよ!”

こんなふうに思っている人もいます。
他の人に言わせれば、「金儲けのため」とも思われています。

・利用者さんの命

を取るか、

・経済的安定

を取るか。

上記二つの言い分は「二元論」になっています。

しかし、本当に「利用者さんの命」or「経済的安定」しか無いのでしょうか?


人間は「感情と理性」に勝つことはできない

施設経営をしていると、追うべき指標が多数あります。

・収益(売上、経費、利益、利益率、生産効率など)
・人員配置
・利用者さんの健康状態
・関係者との信頼構築(ケアマネさん、ご家族、行政担当者など)

さらに、
・職員の心身の健康状態(モヤモヤ、人間関係、家族環境、自分の将来への不安など)
・利用者さん同士の関係性(認知症など非肉体的な疾患をお持ちの方はいわゆる”相性”もあると思います)

などもあります。

職員も利用者さんもロボットでは無いので、常に全てが変化しています。

「利用者さんの命」or「経済的安定」しか考えられない理由は、ロボットでは無いからです。

人間だからです。

人間には「感情と理性」があります。
時にそれらを、抑制するとか、勝つとかっていいますが、不可能です。

人間は決して勝てません。

勝てないからこそ、
「利用者さんの命」or「経済的安定」しか無い!
と思いたくなるんです。

顔を上げて見渡してみると、
・利用者さんの命しか考えていない
・経済的安定しか考えていない
だけではなく(本来、〜だけってのもありえないんですが)、
・目に入るニュースの影響でなんだか不安な気持ちになる
・旦那が「アレは危ないウイルスだから!!」と四六時中言われ鬱々している
・意外と大丈夫なんじゃね?と不安の反動で楽観的になる
など、挙げればキリがありませんが、いろんな感情や理性があります。

だけども、そんな中で、先ほど上げたような指標を同時に追わなければならないと思えば、誰だって「イヤー!!」ってなります。

そしてこういうのです。

「利用者さんの命」か「経済的安定」でしょ?

ってね。


ベストな選択は綺麗なもんじゃ無い

正義も悪も無い世界はどんな世界に思えますか?

みんなが笑って、お花畑で遊んでいて・・・

そうでは無いと思います。

正義も悪も無い世界では、人間は絶望感に苛まれ、目先にわかりやすく見える感情と理性に飛びついては、禁断症状を和らげます。

禁断症状とは、「感情と理性」がもたらす”気持ちよさ”です。

「〇〇とSNSに投稿した女優の〇〇が批判されています」

こんなニュースが飛び込んでくれば、人間は途端に禁断症状から解き放たれます。

感情的に糾弾したり、理性的に意見を述べ溜飲を下げます。

今まさにオンラインの世界で起きていることです。

でも、それは決して現代の人間の持つ「悪」では無いとも思います。

正しいものがあって、間違っているものがある。

”人間は三次元的に物事を把握できないから、二次元、つまり二元論で語りたがるんだよ”

僕の尊敬するエンジニアが言っていました。

真実の中では、物事は三次元どころか数百、数千、もっとそれ以上の構造や概念によって、僕たちの目に飛び込んできます。

今、まさに何万次元にも及ぶ、壮大な世界の中にいます。
こっちを立てれば、こっちが立たなくなるし、
二つ同時に立てようもんなら、これまで大事にしてきたものが立たなくなることだってあります。

そんな世界、ギリギリの世界で、「ベストな選択」を取り続けられるかがこれからの運命を握っています。

とてもじゃないけど、綺麗なもんじゃ無いです。

正義も悪も悪なれば、きっとみんな仲良く平和に暮らしていける。
遥か昔にどこかの偉い人が言っていたかもしれない理想は、僕の目からは全く違うものに見えています。

トレードオフを目の前に、唇を噛み悔しがる日だって幾度となくあるでしょう。

涙を流し、成功できない事実で絶望する夜だってあるでしょう。


それでも、僕はこう言い続けたい。


「未来は、きっと明るい。」


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Twitterにて、介護業界の中で助けを求めている人に協力させて頂いています。
決して1人で抱え込まないで。
一緒に乗り越えましょう。

<動画版>


シニアの方々が、主体的に・楽しく生活し続けられるよう、頑張ります!少しでもご協力頂けると幸いです。