デデデデ

自宅の近所に岩盤浴施設があり、休憩場所で漫画が読めるので、浅野いにおのデッドデッドデーモンズデデデデデストラクションを読んだ。
設定とか構成とか、全部の要素をギュッとまとめて、自分の頭に入れていつでも取り出せるようにしておきたい感じの、まぁすごい良かったです。
くしくも近日前後編でアニメ映画が公開されるようで、ヒロイン2人の声を幾田りらとあのちゃんがあてるらしい。私は勝手にキャラクターに苺ましまろを当て込んでいたので、千葉紗子さんと折笠富美子さんでいいだろ〜〜〜と思う。久しぶりにこういうオタク的感覚になる。

以下、物語の核となる要素のネタバレを含む感想。

ストーリーとしてはある日突然宇宙からの侵略者の飛行船が東京上空に現れ、たまに地上に影響を与えつつも付かず離れずの日々が続き、それが当たり前になり、どうなる??って世界の中を生きる女子高生2人の日常の話。

登場人物がたくさんいて、色んな人にかなりちゃんとスポットがあたる設定があり、結果として全部なかったことになるわけだが…7巻ぐらいだったかでマコトが急にキーパーソンになったとこは鳥肌立った。
タイムリープモノであるバラしもそれまで明確にされないまま、とはいえされるやいなやあっさりと全バラしとなる展開も非常に良い。

タイムリープモノはやはり、大筋みたいなのがどうしても同じになってしまうが、それでも私にとっては一番好きな設定だ。
嫌な結末を変えるために過去に戻ったら結局別の嫌な結末が待っているから、もう一回過去に戻って今度は良かったことを諦めなくちゃならない。
ただこの作品のオチのところはあんまよくわかってなくて、最後パパが戻って門出とおんたんがフツーに仲良くなったことで、あの海辺の侵略者に関してはたまたま誰にも見つからずに変な気も起こさずに済んだってこと?そこの処理がされてなくね?と思うがまぁいいのか。買って読み返すか。

個人的には侵略者側の描写を自分の子供とかと重ねてしまってかなりキツイ気分になっていたが、じゃあ実際地球に侵略者が攻めてきたら、私はどういう思想を正義とするのだろうか。

侵略者とか8・32のところとかもそうだけど、理解しがたい状況が起きたときにとりあえずそういうもんとして受け入れて進む展開が割と心地よく嫌にリアルだったように思う。
例えば世界的パンデミックが起こってそれで数々の著名人が亡くなったとしても、結局は受け入れてそれをあるものとして自分たちの生き方を順応させていくしかない。

あとは一番最初の世界線で侵略者が、どの世界線の自分であってもこの言葉をパスワードにするだろう、と言っていたのがかなり良くて刺さった。
これは本当にそう。あの日あのとき違う選択を取っていた私がいたとしても、私の感性は最終的に同じところに収束してこの漫画を読むし、同じシーンを面白かったと感じるのだ。


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