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#93 「食と農の未来」を考えてみよう


これからの学校給食について、さまざまな懸念や課題があることを、今まで綴ってきました。課題には人手不足や食の安全保障のような短期的に対応が必要となるものもあれば、世界の人口増加や地球温暖化などのように長期的かつグローバルに考える必要のあるものもありますね。

マッキンゼーが読み解く『食と農の未来』

日本経済新聞出版社からマッキンゼー日本支社長のアンドレ・アンドニアン著のこの書籍を紹介します。コロナ禍だった2020年に発行された書籍ですが、新型コロナによる世界的なパンデミックによる「食」分野における影響も踏まえた、さまざまな提言が書かれていて、とても面白かったです。

今回から複数回に分けて、ここに書かれている提言と学校給食の関係性について述べていきたいと思います。国内の議論だけではなく、国際的な動向をベースとしたグローバルな考え方と、農業以外の「食」に関連する業界の今後についても書かれているので、詳しく知りたい方は、是非書籍をお読みください。

日本の食と農を変える8つのメガトレンド

著書の中には、章を分けてそれぞれを詳しく根拠やデータを示しながら解説されているのですが、注目されているトレンドは以下の8つだとされています。
1 マクロエコノミクスの変化  世界的な人口増加、地球温暖化、気候リスクの経済的インパクト
2 技術革新  AI とロボティクス ゲノム編集 バイオ製剤の可能性 
3 政策・規制の変化  とうもろこし 中国の政策転換 輸出競争力 消費者の努力
4 食習慣・食生活の変化  大豆 カロリーコントロール 大体タンパク質 フードロス
5 農業ビジネスをリードする上流プレーヤー  リン酸・カリウム産出国 超巨大農業企業誕生の可能性
6 世界の消費者ニーズの変化  調理時間 食の体験 Farm to Table
7 代替品・代替手法の登場  植物工場 コンテナ栽培 土からの脱却
8 新規参入プレーヤー  企業型農業の行方 アグテック企業 エコシステム
   
どうですか?農業の変化は、食材の変化に直結しますから、学校給食の食材調達にも影響が大きい話だと思うのですが、上記のようなキーワードで見ると、これからの数十年で日本の「食と農」はどうなっていくんだろう?と思いますよね。

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