明日からバイトを始めます。(後編)

思いの外、メディアでの反響をいただき、ただただ驚いているばかりです。
昨日の夜中に書き出した内容が翌日のテレビ番組に影響するとは思いもしませんでした。そんなわけで後編です。

まず始めに、今までのスポンサーさんとの契約は打ち切られたわけではなく
保留にしていただいているということを強調しておきます。
メディアでは僕を紹介できる時間が限られているので、なるべく興味を持ってもらえるようなトピックを打ち出すため
「コロナによって全てのスポンサードが打ち切られた悲劇のアスリート」
として取り上げられがちですが、実際のところはスポンサーの継続のお願いをしたいのだけれども自分がそれに見合う人物かを考える材料がないため待ってもらっているのです。

前編でお話しした、1年後の丁半博打がいい例です。

僕たちアスリートは、試合に向けて様々な準備をします。
まずは練習。
練習をどれくらい重ねるかによって自分の自信度は大きく変化します。
次に環境。
筋力トレーニングはもちろん、食事や睡眠などの体調管理が必要になります。
そして試合。
ん?と思う方もいると思いますが試合のための試合です。大きな試合に至るまでには数多くの試合があります。もちろんどれも本番なのですが、本丸の試合に向けての調整やランキングを向上させるために試合に臨んでいます。
全部本気だからこそ本丸を見失わないことが必要なのです。


でも、これらは今ありません。

練習場所は封鎖され、食事やトレーニングなどのコンディションを整えることも難しく、試合すらない。
でも、1年後のオリンピックは決まっているという現状。

目標から逆算して短期目標、中期目標を置くことでようやく見えた微かな光に向け、日々の練習により自信を最大限に高め、結果を狙いに行くことが得意なアスリートにとっては、薄闇の空を漂う風船の様な状況となってしまったのです。

これによって、何を信じて強くなればいいのか、どのようにして勝てるという自信を持てばいいのかわからなくなったのです。
どんなに優れたアスリートでも、存在しない“結果”を今はどう頑張っても得られないのです。

正直に言うと、スポンサーの継続をお願いする勇気と自信を見出だすことができなかったため、状況が明確になるまで待ってもらうしかなかったのです。

それに何もできない自分の1年後まで考えることが、とても苦しかったのです。


でも、ここで終わりたくないのでパラダイムシフトです。
存在することのない“結果”というものを追いかけるアスリート像から一旦離れ、企業側の視点に立ち、支援してもらえるアスリート像を目指せば、必然的に“結果”を追い求める「道」を見つけることにより自信を取り戻せると考えました。

乱暴な言い方をしますが、勝ってくれそうな“イメージ”を持っているアスリートになれば企業は支援してもらえる(※前編参照)だけでなく、その道を辿ることによって“結果”を出すアスリートに近づくこともできるのではないかと考えたのです。道があれば進めるのです!


企業側が求める“イメージ”を見出すにはまず行動です。
何もせず、目標を失ったままの状態ではトレーニングをしても意味がありません。義務感でするトレーニングは本当に苦痛ですから。
だからこそ、自分が定めた企業に支援してもらえる“イメージ”に近づく様に活動することで道を見出だし、少しずつ前進することで自信を取り戻すことができると思いました。
それに、この様な状況になっても、終息後に開催されるであろう次の大会には心から参加したいですし、そこで結果(これは先ほどまでの漠然とした“結果”ではなく開催された場合は、当然結果を望むよねという意味です)を出したいとも思います。

だから、その気持ちに正直になり、まずは自分で遠征費を稼ごうと思いました。
そして、その行動はすぐさま起こさなければ“イメージ”から遠ざかります。
また、この期間の体力面の衰えを防ぐことができ、密の状態を極力避けられる仕事を探した結果がUber eatsなのです。

この判断が正しいものかどうかは、僕にはわかりません。
でも、何かを成し遂げる際は一緒に立ち向かい励まし応援してくれる人がいるからこそ純粋に“結果”を求める続けることができ、更に高い目標を設定できると改めて気づかされたのです。少なくとも僕はそう思います。

だからこそ、僕はもっともっとフェンシングと向き合い、好きであり続けることから逃げてはいけないのです。そして行動することを止めてはいけないのです。
何としてでも遠征に行かなければならないのです。そして結果を出すための努力をし続けなければならないのです。これが今の僕にできることの全てです。

今できることは限られていますが、僕の中ではまず一歩を動き出していることで生み出した“イメージ”に対して共感し応援してもらえる方や企業の方がいれば僕は自信を持って頑張り続けることができるのです。
自分のブランドをパラダイムシフトさせたことで気が楽になるとともに新たな気持ちでこの1年に立ち向かうことができるようになりました。

実際の“イメージ”には程遠いかも知れませんが、少なくとも僕は目標を再設定できたのです。アスリートにとって目標を決められるということはこの上ない喜びです。だからこそ、この歩みを止めず歩き続けようと思い、昨日のブログを書かせていただいた次第です。

あ、ウーバーイーツの報告をするのを忘れていた。。。
長くなってしまったので報告また次回!笑
ちなみに今日は8軒回って4,688円でした!まずはできることをやるのみ!

皆さんに支えていただくと共に競技に対して僕が抱いているドキドキやワクワクを共有したいと考えています。一緒に戦いましょう!三宅 諒