私が私でいるために

 生きていることが面倒臭くなって、「死んでしまえれば楽なのに」なんて考えて、右手に握りしめたナイフを自分に向かって一振り。
 ザクっ、と音を立てるナイフ。
 それを伝って漏れ出す赤い液体。
 自分から流れ出ている液体は、あまりに綺麗で鮮やかな赤だった。「穢れた血」と言われ続けてきた私の血は、今まで見た誰の血よりも美しい深紅だった。

 ああ、なんだ。周りの人たちが言っていたことなんて、やっぱりデタラメだったんだ。私が一番正しくて、清くて、賢い人間だったんだ。なのに、最後の最後に周りの言葉に振り回されて死んでしまうなんて、私も私でなんて愚かな人間なのだろうか。
 そう思った。最期に考えていることがこんなことなんて、胸糞悪い。もっと素敵なことを考えていたかった。一度も生きたいなんて思ったことがなかったけど、こんな終わり方をするからだろうか、もっとちゃんと生きたかったと、もっと生きていたかったと思った。不服だ。でも、腹の中を切ったことで分かったこともあったから、それはそれでよかったのかもしれない。

 次は、私が私でいてもいい世界に生まれることができたらいいな。

 薄くなっていく意識の中で、そう願った。

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お久しぶりです。
三宅詠万です。
最近、インフルエンザAにかかりました。もう歳なんでしょうか、治りが非常に悪いですね。
それはさておき、今回はまた脳内に浮かんできたのをパパパーッと書いたものになります。クオリティはくそです。作品としては、保証できないほどのものになります。ザーッと読んで、ザーッと考察なんてしてくれたら嬉しいなーなんて思います。
よかったら読んでください。
それではまた。

2023年11月10日
三宅詠万


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