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頭の中にあったもの

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noteに書いた駄文戯文。
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2014年7月の記事一覧

獲らぬ狸が皮算用

 大変なことが僕の身に起ころうとしている。

 あとひと月半の後には僕は億万長者になっている。億万長者になってしまっている。

 宝籤というものを買った。これは一枚三百円で販売されている番号札で、後日、然る可き人物により厳正なる抽選が行われ当選番号が確定、該当する番号札を購入した人は見事当選ということになり、何らの努力をすることなく莫大な金銭が貰えるというものだ。

 僕が購入した籤はサマージャン

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行きつ戻りつ時代は進む

 進歩の行き着く先は退歩であった、ということは割合に良くあって、たといば廻転寿司。

 廻転寿司とはそもそも、職人と面倒な遣り取りをすることなく、随意に自分の好きな寿司を選んで食することが出来るように、との意味合いから産まれたものだ。専門用語と通人が跋扈するそれまでの寿司店では、職人にそう云って自分の好きなネタを握ってもらうには、客の側にも相応の教養が求められる。ハマチとカンパチとブリの違いぐらい

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ほんとに狂ってるのは

 やはり請われてテレビに出演する人というのは皆、押し並べて偉人なのだと思った。

 今週、突如として日本中を席巻した兵庫県議会議員の号泣会見。あの会見が近来稀に見る面白い見世物であったことは衆目の一致するところと思う。が、これを報じるテレビのニュースショー/ワイドショーに出演しているキャスターならびにコメンテーターの皆さんときたら、あんなに面白い動画を目にしても一切笑うことなく、それどころか「こん

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真実真正に生きよう

 ひとつ嘘をつくと、その嘘を隠すためにまた別の嘘をつくようになると云う。

 そうして嘘に嘘を重ねていくうちに、いつしか、取り返しの付かない事態へと、手ずから自分を追い込んでいく。

 だから、嘘をついたらなるべく早いうちにごめんなさい、私は嘘をついておりました、と白状してしまったほうが身の為なのだが、実際はなかなかそうもいかない。人には体面とかメンツとか人間関係とかいった、しがらみ的なことがらが

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