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コミティア143で出会ったヤバい作品③

あれやこれやしていたら第3弾をだすのがすっかり遅くなってしまいました・・・・・・。
それでは早速コミティア143で出会った最高の作品たちを紹介していきます!

※紹介する順番は作品名の50音順です
※以下、ネタバレを含む紹介もあります

【コミティアで出会ったヤバい作品その⑤】

作品名:北海道へ死にに往き生きに往く
作者:ナクヤムパンリエッタ

中央が新刊の「北海道へ死にに往き生きに往く」

某マンガ編集者さんが紹介していた作家さんだッ!と思って、新刊含めて3冊購入(私が見落としていただけで、他にも販売されている作品があったのかもしれません。)。

もう、いずれの表紙も圧がすっっっっっごい。
会場内で一際目立つ特級呪物感。
多少乱雑な本の並べ方(褒めてます)も含めて、これは手に入れなきゃ後々後悔するぞと思わせてくる独特なオーラを放ってました。

新刊の「北海道へ死にに往き生きに往く」は、家が壊れて天井からウンチ水が降ってくる悲劇に見舞われた作者さんが北海道に旅立つお話。

普段からエッセイマンガは好んで読む方ですが、この作品はすごい・・・・・・。
とにかく勢いがあるので、読んでいてこっちまでバッド入ったり、笑えたり(私が特に笑えたのは「寒すぎると人のケツはミントガムになる」ってところとバニーガールにお酒を振る舞うところですね。)、もう自分の感情がジェットコースターに乗っているかのよう。

しかも最後まで読むと、あれ・・・・・・不思議。何だ、このカタルシス。
神経が衰弱している時に読んだら、間違いなく魂を救済をしてくれる一冊だと思います。

私はこの作品を読んでソッコーで北海道三泊四日の旅行券を取得しました(ガチ)。

余談ですが、作者さん、「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」お好きなんですね。
北海道旅行を終えた次の旅先は鳥取にしようかな。目的はもちろん藻屑を偲びに・・・・・・。

【コミティアで出会ったヤバい作品その⑥】

作品名:マザー
作者:あまいろ

中央が新刊の「マザー」。「二万円の友情」も載ってるよ!

あまいろさんの作品は以前からTwitterで拝見していたので、今回コミティアに参加することを決めたときから、絶対に作品をゲットするぞと意気込んでおりました。
新刊、既刊をそれぞれ買えてすごくうれしかったです!

ちなみに私が特に好きな作品は、新刊に掲載されていた「二万円の友情」と以下の2作品。
「すべてを肯定してくれる彼氏」は以前話題になっていたので、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

↓「すべてを肯定してくれる彼氏」(あまいろさんのTwitterより)
https://twitter.com/tentijin11/status/1229339272416620546?s=46&t=F8MNYxfo3UZ7Bfz5QUF1aA

↓1Pマンガ「人生に疑問を持つ女」(あまいろさんのTwitterより)
https://twitter.com/tentijin11/status/1621460118566211585?s=46&t=F8MNYxfo3UZ7Bfz5QUF1aA

新刊の「マザー」は母親に自宅軟禁され、生まれてきてから10年、外の世界を見たことがない、みつぐという女の子が宇宙人と出会うお話。

「お前なんか大嫌いだ」と母親に言い放つシーンのみつぐの表情が絶妙で、人間ってこう言う顔ができるんだなと圧倒されました。
それと宇宙人に出会ってすぐみつぐが「『男』ですか?」と尋ねるシーンも、未知との遭遇感が際立っていてインパクトがありました。
宇宙人に興味津々なところがかわいくて笑ってしまいます。

この作品はみつぐサイドからみるか、母親サイドからみるかで、考えさせられることがそれぞれ異なります。
母親サイドからみたら、自分の過ちによって一度失った大切なものは二度と戻ってこないという教訓めいたお話でもありますし、みつぐサイドからみたら、自分の行動によって世界は変えられるっていう希望にあふれたお話でもある。
自分を縛るものから抜け出せず苦しんでいる人に、一歩を踏み出す勇気を与える作品だと感じます。

「二万円の友情」では、友達のいない大地主の娘である久我百合華が、二万円を払う対価として、高畑という女の子に友達になってもらう様子が描かれます。
この作品の何がすきかって、人を愛するということは、きっかけはどんなことであれ、「いかにその人を深く知ろうとするか」「他者ととことん向き合うか」ということに尽きると再認識させてくれる点ですね。
物語が終わった後、このふたりが友情を築いていくところまで想像できてほっこりします。

【コミティアで出会ったヤバい作品その⑦】

作品名:ラッキーパンチ
作者:山中美容室

雨の街をバックに、色んなモノに囲まれた女性が、むにゃっとした表情で立っている表紙(裏表紙とも繋がっているんですね〜。)。

トーチ漫画賞候補作ということで、迷いなく購入しました(リイド社さんの「トーチ」はすてきな漫画がたくさん連載されていてとてもすきです。)。

私がこの短編集のなかでとびきりすきなのが「めざまし」と言う作品。

この作品には「他者性」という単語のみを話す「シオアジ」という名の犬が登場します(ちなみにこの犬、愚かな私の目にはアライグマだかタヌキだかにしか見えないのですが、この世界では犬と認識されているので、間違いなく犬ですね。)。

こうして文字に起こしてみると、「これもうわかんねぇな」という感じなんですが、このわけのわかんなさが妙に癖になりますし、軽率に「わかる」とか言いたくない感じが短編集全体を通してあります。

ただ、「めざまし」を読む上で「他者性」という言葉の意味はおさえておく必要がありそうです。
デジタル大辞泉では以下の通り↓

たしゃ‐せい【他者性】 の解説
自己とは異なる、他者としての特性・固有性・異質性。

自分に似ている(と思っている)シオアジが、人からバカにされていたわけではないとわかって主人公が泣いちゃうまでの流れが心に沁みますし、終わり方がとても優しい。
全16ページとは思えない読み応えある作品でした。

私も眠れない夜にシオアジを抱いて寝て、翌朝ポップコーン臭くなりたいものですね……。

あと、主人公が認識している自分の唯一の特技が「テツandトモのテツを書くことだけ」ってところがツボでした。


以上が私がコミティア143で出会った最高のヤバい作品たちです!
本当は他にも紹介したい作品が色々あるものの、だいぶ時間がかかってしまいそうなので、今回はここまでにしておきたいと思います。

最後に反省点をいくつか。

反省①
会場を後にしてから好きな作家さんがコミティアに参加していたことをTwitterのタイムラインで知る。絶望。

反省②
上に同じく、会場を後にしてからTwitterのタイムラインに面白そうな作品が続々出現。絶望part2。

反省③
読んだくせに買わないなんて申し訳なさすぎて「読んでいいですか……?」の一言がなかなか言えない。

これらの反省から私のような超初心者が得た教訓。

・好きな作家さんのTwitterはフォローしておこう!

・(事前情報なしで素晴らしい作品と出会えることも、こういうイベントの醍醐味だが)販売される作品の情報収集は前もってしておこう!

・見本誌コーナーに立ち寄ろう!(私がいた時には長蛇の列ができていて日和ってしまったんですよ・・・・・・。)

コミティア144にも参加予定なので、次回も楽しむぞ〜〜!!!
何度もしつこく言いますけど、コミティアって最高ですね!!!


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