足関節の可動域改善|足首のつまり・硬さへのアプローチ
足関節(足首)は捻挫に代表されるようにスポーツにおいて怪我が発生しやすい関節の一つです。
しかし、怪我の発生頻度の多さの影響もあるのか怪我の重症度が軽視される傾向があり、治療やリハビリが十分に行われずに復帰してしまった結果、再発や慢性化してしまうことも少なくありません。
このように足関節の怪我を放置した場合に起きる代表的なトラブルとして、関節の動きが制限される”可動域制限”が挙げられます。
足関節の代表的な問題として、スクワットなどでのつまり感や硬さによってしゃがめないなどの問題は一度は経験したことはないでしょうか?
これらの問題として足関節の可動域制限が関係している可能性があります。
ではなぜ足関節の可動域制限が起きてしまうのでしょうか?
今回は足関節に多くみられる足関節の可動域制限の対策についてご紹介していきたいと思います。
1.足関節の背屈とは
足関節は距骨と下腿(スネ)の脛骨と腓骨という骨によって構成されます。
しゃがみこみのような動作は、足関節の背屈といわれる下腿が前方に傾斜する動きによって可能になります。
そのため、足首がつまる・硬くてしゃがめないなどの場合には、足関節の背屈可動域が制限されている可能性があります。
①足関節背屈の制限
足関節の背屈する際の距骨という骨の動きが非常に重要なポイントの一つになります。
距骨は背屈時、脛骨と腓骨の間を後方に移動することが求められます(先ほどの図を参考)
しかし、何らかの原因によってこの距骨の後方への動きが悪くなることにより、足関節の背屈可動域が起きる恐れがあります。
2.背屈制限の原因
では距骨の動きが悪くなる原因はどんなことが考えられるでしょうか。
関節可動域が制限される原因は様々で、関節周囲の骨・皮ふ・筋肉・腱・関節包などの組織が怪我をきっかけに関節の動きが悪くなり、関節可動域の制限につながります。
なかでも距骨の後方の軟部組織(筋・腱・靭帯など)は、怪我の腫れや長期間の固定、日常的なテーピングなどによって動きが悪くなりやすい傾向があります。
この軟部組織の中でも、アキレス腱・長母趾屈筋・踵骨(踵の骨)の周囲は筋や腱だけではなく、kager`s fat pad(以下、KFP)と呼ばれ脂肪組織が存在し、距骨の動きを制限し、足関節の背屈制限を招くと言われています。
実際のところ、足関節の怪我を繰り返したり、足関節に慢性的な不調を抱えている場合には、これらの組織の動きが悪くなっていると感じることは多くあります。
そのため背屈可動域の改善には、距骨の動きを制限するアキレス腱周りの動きを改善することがポイントの一つと考えています。
3.背屈可動域の改善
では背屈可動域の改善のために必要なポイントを具体的にいくつか紹介していきたいと思います。
前述した通り距骨の後方にあるアキレス腱周りの組織に対するアプローチを行います。
①セルフチェック
まずは足関節の背屈がどれぐらいできるのかチェックしてみましょう。
足裏が浮かずに下腿を前方に傾斜させた角度をチェックします。
目標は45°ですが痛み・つまり感・抵抗感などの左右差などもチェックするポイントの一つです。
②セルフリリース
アキレス腱周囲の組織の動きを改善するためには、セルフリリースを行うことも効果的です。
前述した距骨後方にある組織をターゲットにして、セルフリリースを行います。
セルフリリース
③ストレッチ
ストレッチでは足関節周囲の筋肉の柔軟性の改善を目的として行われることが一般的ですが、ここでのストレッチでは関節の運動を繰り返すことで、距骨周囲の組織との動きの改善にもつなげていきます。
4.まとめ
以上、足関節の背屈可動域制限の原因と改善方法についてご紹介させていただきました。
スポーツにおいて不調が生じやすい足関節の可動域制限の改善には状態に応じた対策が必要になり、怪我をした場合、早急に医療機関を受診して適切な処置やリハビリを受けることが重要です。
すでの不調を抱えて足首のコンディションに悩みを抱える場合には、セラピストやトレーナーなどの専門家による適切なコンディショニングを受けることが改善の近道になります。
足首の動きに悩みを抱える場合には自己判断せず、専門家と共に自分に合った改善方法を見つけてみましょう。
日頃のスポーツや運動でのコンディショニングの参考にしていただけたら幸いです!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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