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足首の硬さの原因とは?|原因と改善のポイント

足首が硬い、詰まる。

足首に問題を抱えながらスポーツをする選手は多く、その対策としてアキレス腱のストレッチなどをしていても、思ったような改善が見られない経験はないでしょうか?

スポーツにおいて足首の怪我の頻度は高く、トレーナーとして帯同している男子の高校バスケットボール部の選手も、足首に問題を抱える選手は非常に多いのが現状です。

足首は地面に接することで、衝撃の吸収、パワーを伝えるためには非常に重要な部位です。足首が十分に機能しないことは足首自体の怪我だけではなく膝や腰にも悪影響を及ぼす可能性があります。

今回はスポーツのなかでも悩まされることが多い、足首の硬さや詰まりの原因とその改善の方法を解説していきたいと思います。

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足関節のスポーツでの重要性

足首は足関節とよばれ、捻挫を繰り返すことでも知られている関節でありスポーツ選手であれば1度は捻挫の経験があるかと思います。

足首の捻挫などにおいて適切な応急処置、固定、リハビリテーションを怠ってしまうと、関節を構成する骨・靭帯などの位置関係が乱れ、構造的に不安定な状態となり、いわゆる「捻挫癖」などにつながります。

足関節の捻挫は頻度が多く、損傷の度合いによってある動くことが可能なため、足関節が不安定な状態で復帰するスポーツ選手も多くいるのが実情です。


足関節の機能は大きく2つに分けられます。

≪足関節の機能≫
①衝撃緩衝
|ストップ、ジャンプの着地、ステップの切り返しなどの衝撃を和らげる
②推進
|ジャンプ、ダッシュ、切り返しなどで力を伝える

無題


この2つの役割を果たすためには、足関節が安定した状態が求められます。しかし、足関節が硬い、詰まるなどの状態は捻挫などによる影響で関節が構造的に不安定な状態であると考えられます。足関節の構造的な不安定性は膝や股関節での代償を招きやすく、腰痛や膝の怪我に繋がってしまう可能性があります。


足関節の硬さの原因

スクワットの動きの中で足関節の影響を考えてみましょう。

スクワットで上半身の重心を下げるためには股関節・膝関節・足関節が連動する必要があり、地面と接する足関節の動きが制限されると膝関節や股関節で重心を下げる動きが要求されます。

スクワットでは背中とスネが平行になるように重心を下げていきます。

スクワット 画像

背屈

スクワットでは足関節に対してスネが前に傾く、背屈という動きが必要になります。背屈には足関節を構成する距骨(きょこつ)と踵骨(しょうこつ)という骨の動きが重要になり、この2つの骨の動きが硬くなると、足関節の動きが制限され、スクワットの動きにも影響を与えます。

スクワットはスポーツでの構えのポジションを獲得するうえでは重要な動きの基準となり、スクワットが不安定な状態であれば、スポーツ動作にも影響を与えることになります。


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距骨の動き
距骨が正しく動くにはアキレス腱周りの筋肉や脂肪組織の柔軟性が必要になり、これらの柔軟性が不足すると背屈の動きがスムーズにできなくなり、足関節の硬さや詰まりの原因となります。

距骨制限

スクワット 背屈制限


踵骨の動き
踵骨はいわゆる"踵"です。踵骨の動き背屈だけではなく、足を左右へのバランスを保つためにも重要な役割を持ち、足を地面についた際の重心が外側に寄りやすくなってしまい、重心をキープするために膝関節や股関節での代償につながる可能性があります。


踵骨の動き

距骨下回内制限


足関節の動きが制限された結果、膝が過剰に内側や前に動く、上半身の前傾が大きくなるといった代償につながり、膝痛や腰痛の原因となってしまいます。

これらの代償を改善するには、足関節の動きを制限している部位の柔軟性を改善し、構造的に安定した状態にすることが必須となります。


足関節のセルフチェックと硬さの改善のポイント

では実際に足関節の動きをセルフチェックしてみましょう。

①スクワット
|  目標:スクワットをして背中とスネが平行になるようにします。

スクワットtest


②背屈チェック
足関節に対して脛がどれだけ傾けることができるかチェックします
|目標:足裏に対してスネが前に45°傾く

。足の第二趾-膝ー股関節が一直線にする

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セルフチェックでの角度が不十分な場合や、動かして硬さや詰まりを感じる場合には距骨や踵骨の動きが低下している可能性があります。


硬さの改善ポイント

柔軟性を改善するためは原因となっている部位をほぐしていく必要があります。

①アキレス腱の前方
|アキレス腱の前には、足関節や足の趾を曲げる筋肉や脂肪の組織などがあり、これらが硬くなると距骨の動きが悪くなり、背屈の動きの制限につながります。

アキレス腱リリース


②内くるぶしと踵の間
|内くるぶしと踵の間には屈筋支帯と呼ばれる膜がつながっていて、この屈筋支帯の硬さは踵骨の動きを制限する原因となります。

屈筋支帯3


セルフチェックで動きが乱れてしまう場合には、原因になっている部位の柔軟性を改善することを優先し構造的に安定した状態をつくることが重要であると考えられます。


足関節機能改善について詳しくはこちらの記事で解説しています


まとめ

足首の硬さの原因には、骨など位置関係の乱れにより関節の動きが制限された構造的に不安定な状態であることが関連していると考えられます。硬さを改善するには原因となっている部位の柔軟性を改善し、構造的に安定した状態にすることが必要になります。

ストレッチはしているけど改善が見られない選手は、関節の動きを改善し、構造的な状態を整えることを優先的に行い、足関節の安定性を獲得を目指しましょう。

スポーツにおける足首の問題の解決の参考にしていただければ幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。


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