「子どもを作る」「瞑想する」「人を雇う」一番尊敬している先輩からの3つのアドバイス

2018年6月、僕のメンタルはかなり参っていた。漠然とした将来への不安が大きくなっていって耐えられなくなっていった。結局心療内科に行くことになって、処方された薬を飲んでこの症状はなくなったのだが、実はこの症状が治った大きな理由がもう一つある。

病んだまさにその日、僕はある方に連絡を取った。大学時代の大先輩。僕の5個上の方で、フリーランスの先輩でもある。兄弟で会社を立ち上げ、今はその会社も弟さんに譲り、もう一つの会社を経営しているというなんとも素敵な方である。

この先輩とは、僕がまだ会社員時代の頃からお世話になっており、独立の話、会社を辞めた後、そしてそこそこ順調になった時に飲みに行ったりお話したりする機会があった。そして、この先輩の話にはいつも大変助けられている。アドバイスは的確で、発想がぶっとんでいる。「この人になりたい!」とは思わないけど、「この人の思想をもっと知りたい!」と常に思わせてくれる方である。

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僕は先輩に、二人で飲めませんかと連絡をし、なんと偶然にも次の日が空いているということで、次の日に二人で飲むことになった。会って間もなく、今の自分の精神状態について話した。この時の僕は、もしかしたらこの先輩は、今の症状の原因が分かるかもしれないと期待していたところがあった。自分でビジネスをやっている先輩だったから、過去の自分と照らし合わせて何か言ってくれるんじゃないかと期待していた。

しかし、先輩のアドバイスは、予想のナナメ上を行っていた。それが、「子どもを作る」「瞑想する」「人を雇う」の3つだ。

先輩には年初に第一子が生まれて、久しぶりに会ったらものすごく子どもをかわいがっていた。そして、僕に言った言葉は、「今お前がどんな悩みを抱えているかはわからないけど、結婚して子どもが生まれたらその悩みはすべて解決する」と言い切った。つまり、悩みの原因が何だとかは関係ないということだった。ああ、この先輩はやっぱりすごいな、そう思った。

そして「瞑想する」というのは、徹底的に自分と向き合う時間を作ること。都会の中では何かしら神経をすり減らすから、完全に一人になって、何時間も自分の頭の中を空っぽにする作業がオススメだということだった。

最後の「人を雇う」は「一番現実的な回答だ」と先輩は言っていた。いつかは自分ひとりで仕事を抱えることはできなくなるし、後進の育成は必要。更に、今の自分のやっている作業を人にやってもらうことで、自分の仕事は「教育」に変わるのだ、と先輩は言っていた。ゲームが変わるんだ、と。

この日は終電近くまでみっちりいろいろな話をし、中では多少意見が衝突することもあったが、やはりこの先輩は僕が一番尊敬している先輩だということを再確認できた。

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このアドバイスを聞いた僕は、早速行動をした。「子どもを作る」はハードルが高すぎて難しいが、残りの2つは実行可能である。

「瞑想」については、僕は少し考えを変えて、「一人旅」というもので代替することにした。自分ひとりで考える時間を設けるには、遠い場所に一人で行くのが一番だと思った。そして、栃木の県北に一人旅をした。結果、特に二日目の長い長い運転中、僕はこれまでの自分の働き方を思い出したり、4年目をどう過ごすかを考えることができた。これが、今後の不安を一掃してくれた。

「人を雇う」は、正社員は難しいので、編集ができる人を募集した。自分の家に来てもらって、PCで作業してもらう。時給制で週1回程度。最初は人が集まるか分からなかったが、1つのツイートをしただけで2名の応募があり、先に応募をくれた方が今、週1回程度で僕の家に来てくれている。その結果、家での自分の仕事内容が「編集」から「教育」に変わった。そして、これがすごく楽しく新鮮で、久しぶりに家での仕事が楽しいと思えた。

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先輩と飲んでから早くも1ヶ月半ほどが経過した。1回の飲み会で、たった3つのアドバイスをもらって、それで劇的に僕の生活スタイルは変わっていった。

自分ひとりでは、答えのない迷宮に迷い込むことがよくある。しかし、それに光を差し込んでくれる人が身近にいたということが、自分にとってはとても幸運だったと思っている。もちろん、この先輩の言うことは絶対ではないし、さすがについていけないなと思えるようなこともある。でも、この先輩とはこれからも一緒にいたいなと思える。

そして、僕も他の人が何かアドバイスを求めてきた時に、このようなクリティカルな言葉を送れるようになっていきたい。そのために、今よりもっと幸せになっておきたいし、幸せになるために何をしたらいいか、常に考えて生きていきたいなと思った。

もちろん、子どももほしいです。

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