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部下に奢ってもらった時の話。


だいぶ前の話。

うちのスタッフから「僕がご馳走するんで食事に行きませんか?」という誘いを受けた。


当時、まだまだ新米の彼にお金なんてあるはずもない事も分かってる。

でも、その心意気が嬉しかったので甘えることにした。


ちなみに店の方は、そのスタッフが予約してくれるとのこと。

僕も、そのほうが良いと思ったのでお願いした。


理由は単純で、その方が彼が無茶しないと思ったからだ。

「払える金額で収まるような店を選んで欲しい」

そう単純に思ったわけだ。


で、実際に指定された店にいくと僕は驚いた。

めちゃくちゃ良い店だったからだ。


「お前、結構無理したんじゃないか?」

そう、僕が伝えたところ、彼は一言…。


「大丈夫です。意外にリーズナブルでした!」

そう、笑って答えた。


「リーズナブルという言葉は、実際にその店を利用した後に語る台詞だろう?」

そう、突っ込みたかったんだけど、、、。やっぱ、やめた。笑


だって、なけなしの金をはたいて、僕にカッコつけてきたわけだから。。。

(そういう部分の漢気みたいな物には、きちんと共鳴できるタイプなんでね。)


食事をしながら、彼とは色々な話をした。僕と彼の出会いは彼が学生時代に遡る。。。


お互い、色々な道を歩みながらも、こうして一緒に仕事をするようになったことに対して、物凄い「縁」なんだと本気で思った。


食事も終わり、落ち着いたころ。

彼から一言、こう言われた。


「哲郎さん、実は今月から、自分の親(家)にお金を入れるようになれました。本当にありがとうございます。」

そう、言われたんだ。

突然のことでビックリしたけど、本当に嬉しかった。


さらに続けて・・・

「自分が親にお金を渡した事に対して、親がすごく喜んでくれました。そんなに大きな金額でもないんです。でも、実の息子が立派に成長したって喜んでくれたんです。」

そう、彼は教えてくれた。


「おいおい、だったら、今回の食事代なんていらなかっただろう?そのお金も親御さんに渡したら良かったのに、食事なんて俺が奢るからさー。」

僕がそう伝えたら、彼からはこんな言葉が返ってきた。


「いや、違うんです。これは親からも言われたんです。お世話になった人にお返ししなさい・・・と。あなたの今があるのは、誰のおかげなのか?って。もちろん、僕もそう思ったんで食事に誘わせて頂きました。」

そう言われた。


この時の事は今でも鮮明に覚えているんだけど、言葉にならないぐらい本当に嬉しかった。少しだけ、目頭が熱くなった事も。。。


ただただ「有難い…」そう思ったんだね。


お金の使い方にも色々ある事を知った


この時に感じたのは、お金の使い方には色々とあるんだなと思った事だ…。


・自分の好きな洋服を買うため、なに欲しいものを購入する使い方。

・なんとなく衝動買いしてまうようなお金の使い方。

・今回のように、「感謝」を込めたお金の使い方。


本当に色々あるし、どの使い方が良いとか悪いとかも無いのだろう。

でも、どうせ使うなら「感謝が生まれるような使い方をした方が幸せだな?」と思ったものだ。


お金をたくさん持ってようが、持ってなかろうが、どうせ使うなら「喜ばれる事」にお金を使いたい…。


「どうせお金を落とすなら知り合いに落としなさい」

昔、自分の母親によく言われた言葉なんだけど、なんか妙に腹落ちした瞬間になったんだね。


だって、お互いの事を知ってたら、お金の交換の際に「気持ち」まで乗っかって相手に届くわけでしょう?


その気持ちって、とても幸せな気分にしてくれる。

幸せな気分にしてくれるわけだから、またお金を使いたくなる。


「みんながそうやったら経済って回るんだな…。」

そう自分の中で妙な納得が生まれた物だ。。



僕は、そんな彼のお金の使い方に幸せを感じた。

食事を一緒にしただけ以上の価値を彼から貰ったわけだ。


そんなわけだから、当然、彼とはまた一緒に飯が食べたくなる。

今度は、僕がご馳走する番だ。


そういうのって、なんか心地よいだろう?


誰が多く持ってるとか、誰が持ってないとかではなくて。

大切な人と一緒に分け合い、交換しあう事で得られる物。


これって、すごく幸せな気持ちにさせてくれるを知ったんだね。


さて、そんな彼は今ではうちの会社の幹部職。

ここに上り詰めるまでに、たくさんの失敗もしてきたんだけど。
(ま、今もあるけど。)


「人たらし」の彼は、たくさんの人達に支えられて、大きな物を背負うようになってきた。


当時、新米だった彼の事を思い出す事すら難しくなったんだけど。

現在でも、彼に奢って貰った時事は、僕にとって消える事のない思い出の一つになって残ってる。


いつの日か、彼が自分の部下に対して、、、

「ご馳走させてください!」

そう言われるようになった時には…。


今回、ここで綴った、僕の大切な思い出を彼にもシェアしようと思う。



てつろう


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