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膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨によって構成されており、大腿骨遠位部と脛骨近位部によって大腿脛骨関節が、膝蓋骨後面と大腿骨遠位部前面によって膝蓋大腿関節が、それぞれ形成されている。

大腿脛骨関節では、主に屈曲と伸展の運動が生じるとともに、内旋・外旋と内反・外反(内転・外転)の関節副運動が起こる。回旋運動が生じる際、脛骨の内果または外果では前後方向の滑り運動が発生。内反・外反運動が生じる際は、内外方向への滑り運動が生じる。関節副運動の動作量は小さい。

1)屈曲・伸展

脛骨が固定された状態で大腿骨が屈曲する場合(これを「閉鎖性運動連鎖」と呼ぶ)、脛骨顆上を大腿骨顆部が後方に回転。大腿骨顆部の後方回転のみが生じた場合、膝関節後部においてインピンジメントが発生するか、もしくは大腿骨の後方脱臼が起こってしまう。

大腿骨の後方脱臼が起こることなく膝関節が屈曲するためには、大腿骨顆の前方への滑り運動が必要である。屈曲初動時には、大腿骨顆ではほぼ後方回転のみが発生。その後前方滑りの運動比率が高まっていくことで、大腿骨顆の前方への動きがほぼなくなり、その場でスピンをしている状態となる。

大腿骨顆の運動①

一方、伸展では全く逆の運動が起こる。伸展の初動時には、主に大腿骨顆の前方回転が発生し、さらに進むと後方滑りが起こり始める。その後、大腿骨顆の後方への動きはなくなり、屈曲と同様でスピンをしている状態になる。

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