リーキーガット症候群の予防〜避けるべき食事、食べたほうがいいもの〜
リーキーガット(Leaky Gut)症候群は、Leak=漏れる、Gut=腸からなる言葉であり、腸の粘膜に微細な穴が空き、異物が血管内に漏れ出してしまう状態を指している。リーキーガット症候群は小麦の摂取で腸内に起こる3大疾患の一つとされ、リーキーガット症候群以外にはセリアック病、クローン病が挙げられる。
(1)リーキーガット症候群の症状
腸内は「絨毛」と呼ばれる突起に覆われている。これにより腸内の表面積が広くなり、腸内での栄養素吸収がしやすくなる。絨毛には格子状のフィルターがかかっており、細菌が体内(血管内等)に侵入されるのを防ぐ(腸壁バリア)。
このフィルターに穴が空き、細菌等が体内へと侵入してしまうのが、リーキーガット症候群だ。
※腸壁バリア〜上皮細胞とタイトジャンクション〜
腸壁バリアを形成するのは、腸の表面を形成する上皮細胞だ。上皮細胞は糖たんぱく質、抗菌物質等を分泌していて、腸表面に菌を寄せ付けないようにしている。そして、上皮細胞の隙間はたんぱく質で構成される「タイトジャンクション」と呼ばれる組織で守られている。
リーキーガットでの「穴」というのは、このタイトジャンクションが緩み(あるいは壊れ)、腸壁バリアの一部が破綻することで発生する。
食物に含まれる成分は、基本的に人体を維持する上で欠かせない。消化吸収されずにそれらが体内へ侵入すると、「外敵」と判断し、免疫機能が体内で働く。成分がこうして攻撃されることで、体内で炎症が発生し、様々な症状へと至ることとなる。当然、細菌の侵入は人体へ直接的なダメージを与える事となるだろう。
リーキーガット症候群は、症状も多種多様だ。
・筋肉痛
・関節痛
・胸やけ
・息切れ
・腹痛
・抜け毛
・消化不良
・不眠症
・記憶力低下
・不安感
・疲労感
・口臭
・神経過敏
・食欲低下
・じんましん
・喘息
・アトピー性皮膚炎
・過敏性腸症候群
・お腹の張り など
リーキーガット症候群で引き起こされる炎症は、糖尿病や高脂血症、認知症を進行する要因になると知られている。
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