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手関節(3)さまざまな症状

手関節は可動性の高い部位だけに、運動や生活習慣による損傷も多く見られる。今回はより詳細に、手関節に起こる症状・病状などを紹介していきたい。

(1)橈骨遠位端骨折

転倒時に床に手のひらを付いたり、自転車・バイクに乗車した状態で転倒事故を起こしたりすると、橈骨遠位端の骨折が見られやすい。

特に閉経後の女性は、骨粗鬆症の進行で骨折リスクが高まるため、運動指導時も転倒しないためのサポートをしっかり行う必要がある。若年層の女性であっても、食事環境で同様のリスクが見られるので注意が必要だ。幼少時は当該部位の成長軟骨版で、骨折が起こりやすい。

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1)種類

撓骨遠位端骨折は、骨折線の入り方などでいくつかの種類に分けられる。

①コレス骨折
最も多いタプ。転倒時に手のひらを地面について骨折した際、骨折部は背側方向へずれ、 手背が膨らんで見える。

②スミス骨折
自転車運転時、ハンドルを握ったまま運転し転んだ時に見られる。手の甲を地面について骨折し、掌側方向へ骨がずれる。ハンドルを持ったまま転んだ時などに生じます。

③バートン骨折
手関節の関節内骨折のこと。骨折部位が背側側だと「背側バートン骨折」、掌側だと「掌側バートン骨折」と判断される。

(2)手根管症候群

手根管とは、手根骨と横手根靱帯(屈筋支帯)で囲まれた空間のこと。伸び縮みのできないトンネルのような構造をしている。手根管内を正中神経(1本)と指を動かす腱(9本)が通過するように通っている。

初期は示指、中指にしびれを感じやすく、症状が進むと正中神経の支配領域である母指〜環指の3本でもしびれを感じやすい。症状が悪化すると、母指球がやせ細かい作業が難しくなったり、母指と示指でOKサインが作りにくくなる。原因の詳細は不明だが、妊娠・出産期および更年期の女性や、仕事やスポーツで手を酷使する人に多く見られる。

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