肩関節複合体(3)周辺組織による安定性確保
上腕骨頭と肩甲骨関節窩による関節面は、安定性が高くない。関節包靱帯複合体によって、それが補われている。その構造の上層にあるローテーターカフが、関節のさらなる安定化に寄与している。また、肩甲上腕関節の安定性は、肩甲骨周辺の筋群からも影響を受けている。
(1)前鋸筋、僧帽筋
肩甲胸郭関節は、肩甲骨前面と胸郭後面で形成されており、肩関節の中枢部に位置する重要な関節である。肩の腱板機能が正常に働くには、肩甲胸郭関節の安定性が必要とされる。
肩甲胸郭関節の運動に関わる筋として、僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋、前鋸筋、小胸筋、鎖骨下筋などが挙げられる。そのうち、最も重要なのが前鋸筋と僧帽筋の2種類だ。
・前鋸筋
肩甲骨の内側縁を胸郭に押さえつける役割を持つ。
・僧帽筋
肩甲骨の上方回旋・挙上を行い、肩甲胸郭関節が肩甲上腕関節と連動するのを補助する。
ここから先は
2,268字
/
2画像
単発の有料記事を月に3本以上読まれるのであればこちらのマガジンに登録されたほうがお得です。
月額1980円です。
初月は無料となりますのでまずはお試し(^^)/
Anatomy Special Magazine
¥1,980 / 月
初月無料
解剖学に関する記事を月に最低3記事更新していきます。 トレーナー及び運動指導者、健康に関する従事者が楽しめる内容となっております。 レベル…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?