前十字靭帯① 構造・機能
前十字靭帯は線維芽細胞とタイプ1コラーゲンを含む 軟部組織であり、特にタイプ1コラーゲンが主要な構成成分である。大腿骨外側顆の後内側から脛骨 にある内側顆間結節の前外側に停止部を持つ。
前十字靭帯の起始部の面積は平均113mm2、停止部は平均136mm2あり、中央部分の断面積は36〜44mm2、そして靱帯の前部から後部にかけての長さは、22〜41mm あると言われている。
1)機能運動学
1−1)脛骨の前方変位制限
前十字靭帯は、主に脛骨の前方変位を制限する。膝関節が30〜90°へ屈曲するときの脛骨前方の安定性の80%以上は前十字靭帯に依存するとも言われている(関節包や腸脛靭帯外側・内側側副靱帯といった他の 靱帯構造は、前方変位運動への安定性にはほぼ影響を及ぼさない)。一方で、前十字靭帯は脛骨後方への 変位には全く影響がない。
脛骨の前方変位は、膝関節の屈曲が20〜45°の間で最大になり、90°以上では内側側副靭帯によって脛骨の前後方向への安定性が維持される傾向がある。
また前十字靭帯が完全断裂 している場合、脛骨の前方変位は2.8〜13.0mmと、範囲が広がりやすい(平均値は6.7mm)。
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