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肘関節(3)安定性低下の要因

肘関節の安定性低下の症状として、もっともよく知られているのはPLRI(後外側回旋不安定症)である。肘関節のPLRI(Posterolateral rotatory instabilityの略)は、前腕回外位において、肘関節伸展位のまま手をついて転倒したときに発生しやすい。この時に肘関節に外反力が加わると、橈骨頭が後外方へ変位され、同時に尺骨の回外変位も生じる。

PLRIが認められる人は、肘関節の屈曲運動で橈骨頭の後外方への脱臼・亜脱臼が発生しやすい。特に腕回外位で肘関節をやや屈曲させた時、症状が悪化しやすい傾向にある(関節安定性が最も小さいポジションのため)

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(1)外側側副靭帯の機能低下

主な原因として、脱臼、反復動作、医原性などが挙げられる。20歳以下の場合、肘関節の脱臼による外側側副靭帯複合体の損傷がPLRIを引き起こしやすい。成人の場合は、反復負荷による外側側副靭帯複合体の機能低下が、PLRIの原因となっているケースが多くみられる。

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1)脱臼・亜脱臼

手をついて転倒した際に発生する。肘はやや屈曲位、前腕は回内位である場合が多く、さらに上腕骨への急激な内旋負荷+肘関節への外反・外旋負荷によって、脱臼が発生する。肘関節の脱臼では、ほぼ外側側副靭帯の断裂と、橈骨頭のPLRIが見られる。

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