前十字靭帯損傷の要因(2)
1)反張膝(Genu Recurvatum)
後天的に形成される構造的疾患で、膝関節が過伸展している状態のこと。スポーツ障害に限らず、膝関節周辺構造の傷害リスクを高める要因となる。膝関節への過伸展の反復的に発生し、膝関節後側の靭帯、関節包、筋肉(腱)などの軟部組織へ慢性的負荷が加わる。
前十字靭帯は、膝関節の伸展に伴い伸張され、膝関節の過剰伸展が反復されると前十字靭帯に大きな負荷が加わる。反張膝を抱えるクライアントや、反張膝の検査だけでなく手指・肘の伸展検査、母指の外転検査などで陽性を示しやすい。
1−1)反張膝の検査
①クライアントを仰臥位にし、膝関節を完全伸展位に、足関節を中立位にする。
②患者の前足をつかみ、大腿骨遠位部を他方手で固定する。前足を上方へ持ち上げ、膝関節の伸展位を作る。膝窩と大腿骨後面がテーブル・床から離れないようにする。
③左右の足のテーブルから踵骨後面までの距離、膝関節の伸展角度、大腿骨と腓骨の角度を測定する。
1−2)母指外転検査
母指を前腕前面に他動的に近づけてる。生理的柔軟性が高い場合は、母指と前腕前面が接触する。
1−3)肘関節の伸展検査
なお、写真は肘関節の過伸展が見られる。
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