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 人間の脳は、平均体重の約2%前後
 大脳は主に運動と感覚と知能を司る
 間脳は感覚情報の整理を、小脳は滑らかな運動を司る
 
人間の脳は、1200g~1600g。平均体重の2%前後とされています。
ドラム缶10本分にあたる2000リットルの血液が1日に脳に運ぶ酸素の量は60㎏にも及ぶ。統計的に男性が女性より1~2割大きくなっていますが、性差による機能の違いか、単に男女の体格の違いかは明確に分かっていません。


脳を構成しているのは、約1割、300憶個の神経細胞と、その活動を支える残り9割のグリア細胞です。
昔はグリア細胞の働きがよくわからなかったため、「人間の脳は1割程度しか使われておらず、残りの9割は眠っている」と言われていました。

大脳は、主に外側の大脳皮質、下側の海馬など大脳辺縁系、内側の大脳基底核に分けられます。これに嗅覚以外の感覚情報を整理する間脳まで含めて、大脳と呼ぶこともあります。

感覚や思考を司る大脳に対し、身体各部の滑らかな動きの制御は小脳です。そして、大脳・小脳・脳幹を「脳」と言いますが、それに連なる、脊椎(背骨)の中央を貫く脊髄までがひとかたまりのシステムです。

これを「中枢神経系」と呼びます。
この大脳から脊髄までは、髄膜という比較的固い膜に覆われ、様々な外的脅威から守られています。
膜内の各器官は、髄液という液体の中に浮かび、特別なフィルター付きの血管によって、血液中の脳に好ましくない物質が運ばれないように特殊な隔離防御がされています。

大脳皮質   
すべての動物の中で、最も人間に特徴的な器官。
それが複雑に発達した大脳皮質です。

  進化の階梯上、両生類までには大脳新皮質がない
  大脳皮質が1番発達した生物は、人類
  大脳皮質は一様ではなく、機能によって異なる

大脳皮質は大脳能力表面に広がる神経細胞の層で、灰白色をしているため灰白質と呼ばれます。
発生学的に哺乳類に進化してできた特有の脳で新皮質とも呼ばれます。高等動物は大きくなる傾向があり、最も大きいのは人間です。
人間の大脳皮質は大まかに7つの領域に分類されます。
このうち4つの領域は大脳の表面に位置しています。

前頭葉は、外側溝より上側で中心溝より前側の部分です。
頭頂葉は、同じく外側溝より上側ですが中心溝より後側の部分で頭頂後頭溝から角回までの部分です。
側頭葉は、外側溝より下側で角回までの部分で、後頭葉は、その全体より後の頭頂後頭溝より後側の部分です。

残りの3つの領域は大脳の内面に位置しています。
島皮質は、外側溝が内側にくぼんで広がり、外からは見えなくなった部分で、内側面は、大脳縦列で左右の大脳半球が向かい合っている部分、下面は眼窩や小脳に接している大脳の下側です。
機能別に大脳皮質を52の「野」に分けたブロードマンの大脳地図が知られています。この1例で「17野」と呼ばれる後頭葉の部位では、外側膝状体からの軸索がつながっている内顆粒層と呼ばれる組織が他の部分より分厚く発達しています。

外側膝状体は網膜からの視覚情報を受けていることから、視覚情報の処理をしていると考えられています。
このように、大脳皮質は一様ではなく、細胞構築的特徴と処理している情報の間には一定の関係があり、処理内容により、構造が異なります。

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