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新たに導入された秘密特許の制度とは?

先日、5/11にある法案が可決されました。

それは、

経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案

というものです。

「経済安全保障推進法」ですね。

この中で、知財に関する規律が盛り込まれました。

それが、特許出願の非公開に関する制度です。
秘密特許なんて言われたりします。

特許って、出願されると、原則1年半で強制的に公開されるんですよね。

それが、一部の出願については、非公開とする、というもの。

このようなものが対象です。


公にすることにより国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明

安全保障上の観点ですね。
最近の米中の覇権争い等による安全保障要請の高まりが背景となっています。

実は、このような秘密特許というのは、先進国では当たり前であって、安全保障の観点から特許情報をコントロールする制度がまったく存在しないのは、G20の中で、日本とメキシコだけだそうです。

今回の秘密特許制度は、どのような制度なんでしょうね。

まず、対象となる特許出願は、核技術や先進武器技術等の技術分野の中から絞り込まれるようです。
まだ、このあたりは明確にはされていません。

そして、絞り込まれた発明は、原則1年間の「保全対象発明」に指定されます。
1年ごとに延長が判断されます。

この「保全対象発明」に指定されると、開示が原則禁止され、外国出願も禁止されます。

また、日本国内でした特定技術分野の発明は、まず日本に出願することが義務づけられました。

こうして見ると、確かに、特許情報の統制という観点が強まりましたね。

この制度の施行は、2年後の2024年5月です。

中小製造業にとっては、さほど影響は無いかもしれませんが、例えばドローン技術やその他の武器転用可能技術を扱っている企業は、一応注意が必要ですね。

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