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歌うときに忘れがちな日本語の話~母音の実践編~

みなさん、こんにちは!
ボイストレーナーのみやちゃんです!
今回は普段忘れられがちな歌うときの母音の話をしていこうと思います!
前回は母音の知識編の記事を書いたので、ぜひそちらも読んでみてください!

●日本人のよくある発声、発音

ボイストレーニングや発声の勉強をするときに、必ずと言っていいほど「鼻腔」を使いましょうって言われますよね!
あれって僕は半分正解で半分嘘だと思ってます。
というのも、鼻腔共鳴を使ってしゃべると実は母音が消えてしまうんです。

※極端に鼻腔を使ってしゃべってみる音声

日本語の曲を歌うときに鼻腔共鳴を使いすぎてしまうと、言葉が全く聞こえなくなってしまうんです。
実は、個人的に発声が圧倒的だと思っているAdoさんやMrs. Green Appleの大森さんは鼻炎なんだそうです。2人のインタビューや配信を聞くと、普段しゃべっている時にはほとんど鼻腔共鳴は使っていないです。
これはあくまで、現代J-popのトップの方々の話です!
声楽や合唱などマイクを通さない発声の場合は鼻腔共鳴の力を使うのは必須だったり、鼻腔を使う意識をすることで喉の引き上げ筋が活性化されて高音が出しやすくなったり、という効果もあるので一概に鼻腔共鳴がダメっていうわけではないですよ。
重要なのは鼻腔共鳴に頼りすぎるのは日本語を扱う上ではNGじゃないのっていうことです。

●じゃあどういう発音や発声練習をすればいいの?

僕がよく生徒さんにやってもらうのは、鼻をつまんでしゃべったり普段の発声練習をするということです。
上手くしゃべれなかったり、声がこもって聞こえる場合は普段から非常に鼻腔共鳴を使っている状態かと思われます。
鼻をつまんでも上手くしゃべれるようになると、自然の歌うときの発音もよくなっているはずです!
※マ行やナ行は子音として鼻腔共鳴を使うので、鼻をつまむとしゃべりづらくなります笑
マ行、ナ行で上手くいかなくても気にしないでください。

●もうちょっとマニアックな母音の話

よく発声について勉強されている方は、母音について例の画像を見たことがあるんじゃないかと思います。
知らない人は「母音 下の位置」とかで検索すると山ほど出てきます。

これは母音の発音の際の舌の位置や息の充てる位置を表しています。
ですが、これって「う」の部分だけ声楽よりの発音なんですよね。
現代の日本語の発音的には「あ」と「う」の高さが同じで「う」の方が奥になっているはずです。
試しに鼻をつまんで鼻腔共鳴を使えないようにして「う」を発音してみてください。
鼻が震える方は、普段の発音では「う」ではなく「ん」に近いものになっているはずなので録音して聞いてみましょう!

この状態の何がまずいって本来「う」の発音は咽頭が下がるはずなのですが、下がらずに鼻腔共鳴で似た音を作りに行っているんですね。
これでは、「う」の母音を使って発声練習で鍛えるべき筋肉にきちんと刺激が入りません。
もちろん歌唱をするときには必要な場合もありますので、どちらが良い悪いではないのですが、ボイトレをするとき、特に初心者の方には非効率になりえるということです。
せっかくボイトレをしているのに、そうなってしまっては勿体ないですよね!

●おわりに

以上、母音の話でした!
少し期間が空いてしまい申し訳ありませんでしたが、また投稿を再開していきたいと思います!
引き続き、ボイトレのちょっとマニアックなことを記事にしていきますのでよろしくお願いします!


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