白土三平 (カムイ伝)
(これはガロに連載されていた方。少年サンデーに連載されてアニメにもなったのは「カムイ外伝」の方である。)
小学生だった頃、貸し本屋で親が借りていた本をこれは大人が読む本だから・・・と言われつつも、こっそり読んでいた。(たぶん、親は知ってたような気もするが…)
この作品に関しては色々な人が解説をしているので、今更私の様な者が、感想を述べるのもどうかとも思うが、まあ、とにかくカムイたちの哀しみは子供心にずしっと響く「何か」があったのは確かである。
この作品が発表された時代背景、「ガロ」の事、長井勝一の事、部落史の事、等を熟知していれば、より理解度が増すと思うが、残念ながらあまりよく知らない。恥ずかしながら勉強不足である。
ただ、私の場合、差別だとかそういう意識の全くなかった子供時代にこの作品に出会えたという事は、その後の人生において非常に良かったと思う。
だから、あまり人に漫画や小説を勧めない事にしている私だけど、これだけは、ちょっと勧めたい。(無理にとは言わないが・・・。)
でも、ガチガチに差別意識に凝り固まっている人が今更読んでも遅いかもしれない。
これは、頭が柔軟な若い頃に読むべき作品かもしれない。
登場人物たちは、凄く個性豊かな人ばかりで圧倒されたけど、一番好きなのは、カムイの変装姿。
えーーと、名前なんだっけ?今、手元にないもので、ちょっと忘れた!(健忘症か?)あの、「おほほほほ…」と笑うちょっとオネエっぽいヤツである。昔から、あの手のキャラが好きだった訳だ。
後で思い出したのだが、「鏡隼人」じゃなかったっけ?名前まで気障だ!(実に私好み)