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藤子・F・不二雄(ミノタウロスの皿)

SFというかブラックユーモアというか社会風刺というか人間風刺というか・・・まあ、そんなものがぎっしり詰った短編集です。
「ドラえもん」の明るい世界とは真逆の世界。
大人になって読むと、ギクッとしてしまう話ばかり。


「劇画・オバQ」


15年ぶりに再会した正ちゃんとオバQ。
オバQは昔のまま変わってないんだけど、正ちゃんはすっかり大人になって奥さんのいるサラリーマン。

ラスト・・・オバQがつぶやく。
「正ちゃんは
もう子どもじゃないってことだな……
……
な……」そして、ひとり飛び去って行くオバQ。

大人になってしまった元少年少女たちが読むと胸にずきーっとくる話だと思います。

「コロリころげた木の根っ子」

これはかなり怖い。
勿論、幽霊や怪物が出て怖いと言ってるわけではない。
人間の心理が実に怖いのだ。
夫の暴力に耐えている妻が考えてることは・・・。
こういう事はあり得るかもしれないから怖い。
しかし・・・最近は暴力に耐えかねて実際に相手を殺したというニュースをよく耳にする。
自分が手を下さずに相手が死ぬのを待つっていうより、実際に手を下す方が手っ取り早いのは確かだけどね。。。

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