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谷口ジロー (晴れゆく空)
(週刊ヤングジャンプ2004年33号~39号、41号~43号、48号~50号掲載)
交通事故で死んだ男、久保田和広の魂が車をぶつけた相手の小野寺卓也の肉体に入る。
別の肉体に別の精神が入り込むっていう話は小説やドラマ、少女漫画などでも使われてきたテーマだと思います。
そういうテーマを個々の作家がどのように料理していくか。
それが重要。
谷口ジローのあとがきによると、
ひとりの死を受けとめることの嘆かわしさや、死にゆくものがどのようにしたら心を残さぬように出来るものなのか。
そんな心の葛藤が漫画表現出来ればと思って挑戦してみました。
と書いている。
この作者は他の作品でも、
人が愛する者の死に接した時の心の揺れ、そして再生を描いていることが多いような気がする。
<死>というものは、残された者にも大変悲しいことなのだけど、
死んでしまった当事者にも大変悲しいことなんですよね。
ただ、死んでしまった当事者の気持ちは残された者にはわかりません。
この作品では他者の肉体に入る事で自分の気持ちを残された家族に伝えることが出来るわけなんですけど、まあ現実には普通ありえないですよね。
私自身、死ぬ前にきちんと子供たちに残す物、伝えたい事を書いておかなくちゃって思うんですけど、
思うだけで、まだ何にも手をつけてません。
私が死んだという事を知らせて欲しい人たちの名簿とか、葬式の事とか・・・。
ああ、そんなことより大事な事が!
私の大量の漫画の蔵書をどうするか、それが問題だ!!!(笑)
ま、とにかくこの作品、
谷口ジローの得意とするヒューマン・ドラマです。
生きる意味とか死ぬ事とかを改めてじっくりと考えさせてくれます。
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