初めましてなので自己紹介。

中学校二年生の夏、みやびはひとりぼっちであった。

それまでなかよく過ごしてきたなかまたちが、夏休み全く遊んでくれなかった。当時(1995年)はモバイル機器もほぼなく、連絡手段はいわゆる「家電(いえでん、と読む)」のみ。いつ連絡してもみんな留守だった。二年生の夏はいつになく長い休みに感じた。

夏休みがあけ、なかまとの再会。

「いったいどうしてたん?」

「いやー夏休みずっと部活だったんよ。ゴメンねー。」

「ぶ、部活?クラブ入ってたんや、知らんかったなぁ…」

そんなやり取りを経て、どうせならなかまたちと毎日会える(遊べる)なら、と同じ部活に入部した。一年生の終わりまではバスケットボール部だったが、身長も高かったおかげでポジションはセンター。ジャンプする練習を一生分終えて、代償に膝を壊して退部していたため、入部手続きはすんなりと進む。

入部した先は『吹奏楽部』だった。これが少年みやびと音楽とのはじめての出会いだった。

最初はなかまとつるみたいだけのヨコシマな気持ちで入部したものの、1ヶ月も経てば楽器演奏の虜に。元来負けず嫌いだったため、同級生との差を埋めるべく必死に練習、練習、練習。ほぼ毎日の朝練に欠かさず行き、放課後練習も比較的まじめに参加。

…月日は経ち、中学校三年生のコンクール。めいいっぱい練習した。暑い中、夏休みも毎日朝から晩まで練習した(ここで去年のなかまたちが何をしていたかを知る)。

結果は関西大会銀賞。全国大会には進出できず。こんなにがんばったのにあかんのか…。この時の悔しさが、後日自分の進路を大きく変える出来事になるとは思いもしなかった。


続。

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