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白と黒。2020年の出会い。

このnoteは「書くとともに生きる」ひとたちのためのコミュニティ『sentence』 のアドベントカレンダー「2020年の出会い by sentence Advent Calendar 2020」の8日目の記事です。

私にとって2020年最大の出会いは息子だ。

2月に息子が産まれた。以来、毎日延々と息子と一緒にいる。息子の行動は予測がつかない。血がつながっているといっても、全く別の生き物なのだと日々感じる。

ベビー服、お世話グッズ、おもちゃ、離乳食。子どもの周りにある世界にもいろいろと出会った。なかでも強く興味を持ったのが絵本の世界だ。
大人にはよくわからなくても、子どもは喜んで見ている本もある。例えばこのロングセラーの絵本。

読む前は、瀬川康男さんによる表紙の絵がとにかく印象強かった。しかし子どもに見せてみると、長い間「いないいない…」と「ばあ」のページをぱたぱたやっている。興味を示さない本との差は明らかだった。やっぱりロングセラーであるだけの力のある本なのだ。

何が子どもの心を掴むのか、作り手はどうやって知るのだろう、と思う。絵本などをレビューするTwitterもぼちぼちと始めてしまった。もっとたくさんの絵本を読んで勉強して、いつか絵本の編集もできたらなんていいだろう、などと妄想が膨らむ。

結局、自分から見える世界でしかない。

子どもが生まれて自分はどうなるんだろう、何か変わるのだろうかと思った。
今の自分を表から見れば、子どもを抱っこしているし、絵本も読むし、機嫌が悪ければ歌も歌う。産前にはなかったことだ。
しかし今のところ、自分の本体部分はあまり変わっていないように感じる。急に優しさに溢れるようになったとか、子どもを守って強くなるということも感じない。仕事が育休になり、趣味でやっていたジャズビッグバンドを退団して、そのリソースを子どもに突っ込んでいる、という感覚が強い。それ以外の、自分のブログを書いたり岐阜のことを発信したりしたいという気持ちは、産後2ヶ月くらいで戻っている。

世界を自分中心に見てしまうのも変わっていない。このnoteで書いている育児日記も、子どものことというより、そのとき自分はどう感じたのか、ということばかり書いている。

ただ産後、今まで見たことのなかった自分にも出会った。たまには息子を夫に任せて休みたくても、夫は平日は仕事に忙しく休日はしばしば寝込み、たまに何かしてくれてもどうも頼りにならない。余裕のない私は、つい夫に当たることが増えてしまった。
産後クライシスとはこういうことかと、身をもって感じた。自分がこんなに汚い言葉を使えるのか。自分に、こんなに黒い部分が眠っていたのか。

来年、自分は復職して、子どもは保育園に通い始める予定だ。もう、仕事の分のリソースを突っ込むわけにいかない。
日々、またいろいろと新しいことに出会うのだろう。新しい自分、白い自分にも黒い自分にも出会うのだろう。

そしてそのうち、母親がいろいろ足りない人間であることを息子は悟っていくのだと思う。それでも毎日、諦めないで新しい日に出会う姿だけは見せていたいと思う。


他に2020年の出会いといえば「Amazon Music Unlimited」が浮かぶ。サニーデイ・サービスの新しいアルバム「いいね!」をどうしてもトラック順に聞きたくて、ついにプライムからアンリミテッドにしてしまった。今までとは聞ける曲数が格段に違う。
RadioheadとかColdplayとか、学生のころに好きだったバンドの、割と最近のアルバムを聞いたりもしている。近年はジャズばかり聴いていたが、ロックキッズだったころの気持ちが蘇ってきた。

息子も巻き添えにして聞かせているが、なんとなく息子にはまだ、あまり暗い曲は聞かせたくないように思う。明るい、魅力的なロックに、2021年はもっと出会えたら嬉しい。

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