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私の勝負曲:受験期に聞いていた曲

noteのタグで、「私の勝負曲」というのを発見。

勝負曲ですぐに頭に思い浮かぶのは、

「Silent Libre Mirage」だ。UNISON SQARE GARDENの曲。

何でこれが私の勝負曲かというと、

受験前にずっと聞いていて、何度も気持ちを奮い立たせていたから。

この曲が、私を、受験という壁を最後まで登ることを諦めさせないでくれた。


私の地元は、雪がすごく降る東北地方のある町だ。そんなに大きくない。

電車も一時間に1本とかしか来ないから、毎日始発で学校に通っていた。

家を6時15分くらいに出て、学校の最寄り駅につくのは6時半ごろ。

そこから30分くらいかけて学校まで歩いていく。

冬は自転車に乗れないから、歩くしかない。

道には雪が積もり凍っているところも多く、歩くだけでも時間がかかる。

そして何より寒い。あと、景色がずっと白い。

寒いことは、それだけで体力と気力を消耗する。

私は学校についた時点で結構くたくたになっていた。


受験直前シーズンの11月~2月は、本当にずっとこの曲を聴いていたような気がする。

成績が思うように上がらない

時間はどんどん無くなり、センターまでの日数は残りわずか

評論も小説も古文も漢文も英単語も数学も世界史も倫政も化学も生物も、

全部やらないといけない

でも一日では全部できない

やらないといけないことがいっぱいあるのに、うまく時間を分配できない

できないことに焦る

焦っている暇があるなら、勉強しろと思う

自分より勉強している人を見て落ち込んだ

もう何をやっても不安で、なにがなんだか分からない

怖くて怖くてしょうがない 

合格したい、という気持ちは薄かった気がする。

それよりも、

できない今の自分の情けなさに落ち込み泣きたくなる感情の方が大きかったように思う。

毎日負けそうだった ギリギリだった 追い込まれ、追い詰められていた

ずっと苦しかった

寝るとき、起きるとき、食べるとき、風呂に入るとき、

不安と焦りという暗い、色に例えるなら灰色の幕はずっと私につきまとった。

もっとできるはず、と思うけど、思っているようには何事もいかなかった。


でも、やめるわけにはいかなかった。

何より、途中で諦めるなんて選択は一番選びたくなかった。

限界までやるしかなかった。

無理かもしれないけど、やるしかなかった。

そんな毎日をループする日々が3か月くらい続いた。


一日を始める登下校中

図書館に行く道

勉強の気分転換時

Silent Libre Mirageを聞いた。

これを聞くことが頑張るためのスイッチになっていた。

イヤホンを忘れて聞けないときも、頭の中で再生していた。

どんなに落ち込んでいても、これを聞いたら気持ちが切り替わった。

歌詞は、聞いてはいたけど、暗記はしてない。

歌詞の暗記はもともと苦手だった。

でも、

『あてもないままに 今をかきわける』

ここは何回か歌詞中に出てたのと、その時の自分とリンクしていたのもあって、覚えている


あらためて曲を聞くと、あの時の自分は、曲を聴いている間は

全ての憂鬱なことを考えずに、ただ前を向くことができたのだと思った。

ただ、目指す方向にむかってシンプルな気持ちになれた。

曲が終わったら、また現実に向き合わないといけないけど、

曲のおかげで何とか心を保てていた。


二度と受験生に戻りたくはないけど(就活、、、?)、

がんばってよかったと思うし、

あれほど一つのことに集中し力を入れた経験は私を強くした。

Silent Libre Mirageがなかったら

途中で折れていたかも、と思うと、感謝しかない。ありがとう。


勝負曲、今はあんまり聞かない。

でも、がんばりたいとき、気合い入れたいとき、

あの時の気持ちを思い出すために、再生する。

そういう曲があるって幸せなことだし、大切にしたい。

きっといつになっても、私のなかに残る曲だと思う。


                 おわり  2021年3月18日15時40分




















あの頃の気分は二度と味わいたくない。

でも今振り返ると、よくがんばったね、と思うし、

がんばってくれてありがとう、と言いたい。







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