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色について〜絵画の見方

絵を描くとき、どんな色を使おうか考える。
どんな色を使うか考えるとき、観る人に何を伝えたいか考える。

例えば空ひとつとっても数えきれないほどの色が含まれていると思う。
空に夕陽が射すとき、一面が橙色になる時もあれば雲に遮られ雲が陰を落とすこともあるだろう。
その雲の陰にすら色はついている。
私はこの陰の色こそが人に何かを伝える時に大事な部分だと思う。

灰色の雑踏に自分が立っている所を想像してみる。
ほのかに光が当たって自分の影がアスファルトに創り出され、揺れ動いている。
その影の色はどんな色だろう
ただの黒やグレーではない、様々な色が含まれている。
たとえば受験に落ちて絶望しているとき、私は私の影に限りなく暗い色を塗り、湧いてくる怒りに赤を足し、滲む悲しみを青で表現するだろう。

反対に人生に希望が満ち溢れ、穏やかでいる時
私の影は黄色を足した温かみのある灰色を塗るかもしれない。

現実世界では笑っている人は楽しそう、泣いている人は悲しいと表情で認識することが多い。
しかし本当は笑っていても悲しいのかもしれないし、泣いていても嬉しいのかもしれない。
絵の中ではそんな相反する感情を色で表現することができる。

春めく人々Ⅱ

人間はどこか曖昧なものを察知する能力を持っている。
絵をみるとき、絵から何を感じるのか
なぜそう感じるのか理由をさがしてほしい。
きっともっと絵を観るのが楽しめると思う。

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