いつまでもイキイキと若々しく活躍する秘訣(栄養ドリンクじゃないよ)~日本講演新聞

日本講演新聞は「感動の共感を世界中に」「読者の人生をより豊かなものに」をモットーに、全国の価値ある講演会を取材し「感動した!ためになった!元気になった!」そんな心を揺るがす話だけを記事にし、毎週月曜日発信しています。
10月19日は共育です。子どもの教育に親、地域、学校が共に関わり、共に育み、共に育つ「共育」を考え、実行する日(日本記念日協会よりHP)。そんな今回の記事はちょっと意外な「きょういく」のお話♪

ー「きょうよう」と「きょういく」をー

 1999年に映画『鉄道員(ぽっぽや)』を観た。当時、主演の高倉健さんは68歳だった。2005年、中国との合作映画『単騎、千里を走る。』のときは74歳だった。

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 いずれも遥か昔に観た『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』の頃の健さんと変わらないように思えた。「この人は老いを感じさせない人だな」とずっと思っていた。

 一昨年観た『あなたへ』に出ていた健さんは81歳。さすがに老いを感じたが、それでも昔と変わらないオーラがあった。

 俳優や女優は見られてなんぼの世界だ。年齢相応な役柄を演じることがあっても、演技そのものに「衰え」を観客に感じさせてはいけない。そんな鉄則があると聞いたことがある。

 だから美しいまま、若くして引退する女優もいる。それも一つのプロ意識だろう。たとえば原節子さんは42歳で引退した。

 吉永小百合さんも原節子さんのような道を選ぶべきか、思い悩んだ時期があったと、とある雑誌で語っていた。

 しかし、その思いは同じ42歳のときに出合った『映画女優』という作品で変わった。

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 「田中絹代」という大女優の半生を映画化した作品だ。歴史上の人物を演じるのならまだしも、田中絹代さんは、当時はまだご健在で、しかも、小百合さんが駆け出しの10代の頃から共演させていただいていた雲の上の人だった。

 「田中絹代」を演じることにたじろいだが、監督に説得され、主役を引き受けた。

 「田中絹代」という女優は、たとえば、49歳のときに『楢山節考(ならやまぶしこう)』という映画で老婆の役を演じたとき、健康な前歯を4本も抜いて臨んだ。また別の役では年老いた感じを出すために撮影の間中、ゴムで腕をきつくしばり、血管を浮き上がらせた

 晩年は病気で視力が衰えたが、ベッドの上で「目が見えない役が来ないかしら」とお付きの人に語っていたという。

 そんな「田中絹代」を演じながら、小百合さんは、「自分も一生映画女優として生きていこう。残酷なまでに老いをさらけ出していこう」と決意したそうだ。

 「若い」ということには限界があるが、「若々しい」ということには限界はない挑戦すべき何かを持っている誰かのお役に立っているという「役立ち感」、そんなものがある限り、人は老いることを忘れてしまうのではないかと思う。

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 さて、広島県でまちおこしをやっている和田芳治さん(当時71)が講演の中で、いつまでもイキイキと若々しく活躍する秘訣を語っていた。それは「きょうよう」と「きょういく」なのだそうだ。すなわち「今日、用がある」「今日、行くところがある」という意味である。

 「もっと言うと、お年寄りをこき使うんです。動かすんです」と。

 和田さんは仲間と30年も前から、まちおこしのための「過疎を逆手にとる会」や里山暮らしの知恵を研究する「人間幸学研究所」、高齢者を輝かす「光齢者志民会議」など、ユニークな活動をやってきた。

 「志民」とは、「志を高く掲げ、その具現のために持てるものを出して、喜んで汗する人」のことをいう。「志民」になると「役立ち感」が手に入り、イキイキとしてくるそうだ。逆に「自分一人くらいやったってどうせ何も変わらない」と言って何もしない人を、和田さんは「死民」と呼んでいる。

 和田さんがまちづくりのものさしにしているのが「笑顔」と「打てば響く人間関係」だ。

 「あなたの周りに笑顔溢れている人はいますか?」「あなたの周りに打てば響く人がいますか?」と問い掛ける。「いません」と言う人に和田さんは言う。「決め手は、あなたが先に笑顔溢れる人になることあなたが打てば響く人になることです」と。

 「幸せとは自分を磨いて能力を高め、その能力を使って社会の役に立つ働きをしてお金をもらって生きていくこと。それが自分の人生の主役になるということです」

 究極のところ、人生は劇場であり、人はみな「自分」を演じる役者なのだ。

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 老いを忘れるほどの名優になって、「きょうよう」と「きょういく」に心掛けよう。
  (日本講演新聞 魂の編集長 水谷もりひと 2014/12/01号社説より)

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