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自分を見つめ直してみた
こんにちは、悠々ファームのクニです。
私は、両親や親族に農家がいるわけでもなく、全くのゼロから牛飼いになるため会社員を昨年辞めました。
「日本の自然が育てた和牛」を届けるため「自然にも家畜にも人にもやさしい農場」を目指しています。
そんな私ですが、これから海外のお肉の販売を開始します。
なんで?て思われる方もいらっしゃると思いますが、私もその一人です(笑)。なので何故ここに至ったのかを義憤と観点で実体験を交えて綴っていきたいと思います。
でも、このブログは自分を見つめ直すためでもあり、言語化が下手で書きなぐりのような文章になっておりますことご了承ください。
食とは人を良くすると読む
牛飼いを目指す前に働いていたびっくりドンキーが大事にしてきた言葉です。
人を良くする食とはどういうもの?ということですが、食材で言うと例えば除草剤1回だけの省農薬米だったり、成長ホルモン剤を使用しないお肉だったり、ドイツの「ビール純粋令」に従い”麦芽・ホップ・水・酵母のみ”で作ったビールだったりがあります。
詳しくはこちら。https://www.bikkuri-donkey.com/approach/
省農薬米を例にあげると、単に殺虫剤や殺菌剤を使わないから安全だよねってだけでなく、それを使わなくてもいいようなぐらい稲そのものが健康であってそんなお米を食べるって人にも良いはずだよねってことです。
だからと言って、それ以外の食材が人に良くないって言いたいわけでもなく、食の安全に関する法整備も整っているし美味しいものばかりです。
しかし、便利さの追求の中で生きるためだけの食事がますます広がっているようで、もしかしたら3歳の息子が今の私と同じ年代になった時には栄養補助食品やサプリメントが主食になっているかもしれないですね。
でもそれって、「大きく育つ」かもしれないけど「健康に育つ」とは違うのではないかと思っています。
目も耳も鼻も塞いで口だけで感じる味は味覚の5%だそうです。残りは鼻で感じるのが大きいそうですが、目と耳からの情報も美味しく“感じる”には重要と思ってます。美味しい食事でも接客が悪いとぶち壊し、普通に買った食材でも風景の良い場所で仲間たちとBBQすると美味しく感じる、などです。
なので美味しさという機能的な価値だけでなく、その食べ物がどのように育って今年はこんな良いこと(苦労)があったんだよって聞いたり、その食べ物が育っている自然や風景を見たり、作物や家畜を育てる体験を通じて触れてみたりと五感で感じることで感動というか幸せな気持ちを味わうことができるのではないでしょうか。
レストランの場合でも、美味しく食べてもらうために一度も冷凍もしていないんだよって聞いたり、このハンバーグにはこんな食材を使っているよって見たり、お肉って生だと柔らかいんだけど火が入るとこんなに弾力がでるんだよって触ったりできると面白いかも。
もちろん、皆さん忙しくしている中で便利な食事はすごくありがたいので、毎日の食事のなかの少し一部だけでも感動や幸せを感じる人を良くする食事があればいいなぁと思っています。
生産現場と消費者との距離
びっくりドンキーの食材の調達を通じて、畑や家畜の生産現場を国内だけでなく海外も含めて訪問してきましたが、特に家畜を育てる現場はバイヤーという立場でも見ることができないことが何度かありました。
家畜を育てる現場は様々な病気から家畜を守るために厳しい防疫体制があるのは理解しており、その防疫ルールに従っても見ることができないのは、人を良くする食べ物をお客様を代表して買いに行く立場としてなかなか納得できるものではありませんでした。
しかし、私も農家さんとお話ができるよう生産技術などの勉強をしていましたので、中には農家さんと会話をしていく中でお話が盛り上がり、「こいつ分かっているな」と認められたのか、特別に現場を見せて頂いたときのことは今でも思い出します。
また日本の野菜やお肉は市場を経由してスーパーに並ぶことがほとんどで、最も効率よく流通させるためにサイズや形などの規格を設定することが多く、その弊害なのか野菜を工場製品のように規格が少しでもずれていると返品されるようなことも起こります。
しかし、農場を訪問して野菜が育っているところを見たり、農家さんと育て方や苦労などのお話を聞くと、返品が止まったという話を聞いたことがあります。
このように、生産現場と消費者の距離が縮まればまた新しい幸せが生まれると思っています。
そのためには私は牛飼いと立場からそのような機会を積極的に作っていきたいと思っています。
世界で希少な日本の自然
びっくりドンキーでは玉ねぎやイチゴ、コーヒー豆など様々な食材の調達を経験してきましたが、私にとって特別なのが牛肉です。
びっくりドンキーのハンバーグに使う牛肉はすべてグラスフェッド(牧草肥育)ビーフです。グラスフェッドビーフというのは、簡単に言うと、牛を放牧させながら草を自由に食べさせて育てた牛肉のことです。
でも、単に草であればなんでもいいわけではなく、栄養が豊かな草が十分な量がないと牛にとってストレスとなり、美味しい牛肉にはなりません。そんな草ができるために必要なのは雨、つまり水です。
一方で、日本では輸入された穀物をベースとしたエサを与え、牛舎のなかでできる限り運動させないようにして肥育します。
穀物ベースのエサだけだと牛たちも調子を崩すので草も与えますが、草に求めるのは牛の体調を整えるための繊維であり、牛を大きくするのは穀物です。
栄養が豊かな状態の草を牛に与えれば牛は草だけでも育ちます。そしてそんな草を育てるために必要な雨が日本にはあります。国土が狭い日本ですが、広がり続ける耕作放棄地もあります。
もちろん、30か月齢で約500kgの枝肉でBMS12(霜降り5)のようなお肉はできません。また、何百頭もの肥育もできません。
しかし「日本の自然が育てた和牛」を新たな選択肢としてお届けしたいのが私の夢です。
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