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ランゲージ・エクスチェンジ

高額な授業料を親に払ってもらったわりに、まったく勉强をしなかったハイスクール時代を悔いて英会話スクールに通わず英語を習得しようと、ろくに英語を話せないのに週末はランゲージエクスチェンジに積極的に参加した。
国立大学の医者、インドから研修にきている脳外科医、貿易の仕事をする中国人、ワーホリ、WEBの仕事をするイギリス人、語学学校に通うタヒチ人..様々な国の人たちと知り合えることがとても楽しかった。

相変わらず私の英語はYoutube でフレーズを学び、文法書を開いて5秒で閉じるため英語は全く進歩しないので早くも悩んでいた。
そんなときに、夏至のイベントで知り合ったメキシコ人の男性からコーヒー飲みに行かない?と誘われた。

今だから理解できるけど、コーヒーを飲みに行かない?という誘い文句はちょっとしたハングアウトするキッカケなのに、当時はわからず本当にコーヒーを飲みにいくことだと思っていた。そのくらい教科書に乗ってないことは知らなかったし、ニュアンスすらわからなかった。

当日、彼は待ち合わせ時間に今から出ると連絡がきたので急遽予定してたプランを変更しお互い近くのカフェで会うことにした。相手の国のことといえば、画家のフリーダ、タコス、アミーゴ、それからええっと…サボテン?麻薬組織怖い?くらい。彼も日本のアニメや文化が好みだとかはなくまったく共通点が見えなかったけれど、私はスマホで翻訳をしながら英語で会話、それでも2時間くらい談笑できた。
そんな中、お互いの恋愛の話になった時に彼から「DAISUKI」と告げられた。どうやら彼は私を気に入ってくれていたようで、出会って2週間くらいで気持ちを伝えてくれた。
英語の次に下手のが”恋愛”である私は彼の気持ちを理解できず「your japanese good !」と能天気に答えてしまった。それから何ヶ月間か、メッセージを交換したりパーティに一緒にでかけたりはしたけれど、外国人と付き合うことをイメージできない。私は彼からの甘えたメッセージがきても友達のように返信していた。それに日本語を理解していない彼のDAISUKIは、どういうニュアンスで言っているのか当時はわからなかった。今思えば、相手の母国語でわざわざ伝えてくれた気持ちくらい素直に受け取ってあげたらよかった。恋愛のキッカケを失ったのは語学力のせいではない。


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