生の変態さん

あたしが中学生の時に、最近変質者が出ているので気を付けて下さいと学校から連絡があった。

ということでホントに変態さんにトラウマのある方などは読まないで下さいね。

聞くところによると、それはうちの町内の近くだった。

あたしはつい喜んでしまった。

「やった！うちの近くに変態さんが出没してる！生で見れるかもしれない！」

変態さん…

どんな変態なんだろう？

自分のイチモツを見せつけてくるのかな？

もうそれは自分で触っちゃってるのかな

興奮して見てたらエッチなイタズラとかされちゃうのかな！

妄想は膨らむばかりだ。

あたしはさっそく変態さんが出るという近所の電話ボックスをハリコミした。

学校では毎日のように変態さんの噂話が飛び交っている。そして口々に女子は「えー！気持ちワルーい！絶対やだー！」とかなんとかいいながら反応している。もちろんあたしもその中に混じって同じ反応をする。

けれど心の中は「生の変態さんを見てみたい！」という思いでいっぱいだった。

結論からいうと生の変態さんは見れなかった。

先輩と一緒に帰った帰り道で「じゃ、ここでねー！」と先輩と別れた小路で先輩は変態さんに遭遇したらしい。

下半身を露出し、じっと黙ってこっちを見ていたという。

道が一本違っただけで、先輩は生の変態さんと遭遇した！羨ましい！

「えー！あたしも見たかったぁ！」なんては絶対に言えないがどうもその先輩はよく遭遇するらしい。確かに先輩ははっきりいって色気があって可愛い。

もしや変態さん、狙いを定めてその道にいる？

ということでしばらくその先輩と帰り道を共にすることにし、半分護衛という名目も兼ねての先輩を家まで送り届けるという日々を続けることにした。

…変態さんは出ない。

なんだろう？ここまで来ると変態と変態は出逢わないように出来てるのかはたまたあたしの禍々しいまでの執着心が滲み出ていて変態さんを寄せ付けないのか。

いつぞやは友人が一人で帰宅途中に急に車が自分の側でピタリと停まったかと思ったら中の人が下半身を露出し、シコシコしていたらしい。

うゎーい！友人、生おかず！脱いでもないのにおかずにされとる！

いーなー、羨ましいなー

あたしだったらもうサービスで乳見せるかパンツ脱ぐかしてもよかったのに。

ってほんとやばいよね、あたしの思考。

この時まだ中学生。まぁ実際変態さんに会ったらどういう行動を取るかはわからないが結局大人になっても生の変態さんに遇うことは叶わず。

この時に対処法として「変態がイチモツを見せてきたら、鼻で笑って間に合ってますって言えばいいよ！」って女子の中で流行ったけど

果たしてみんなその台詞は吐けたのだろうか。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました！