ピュアアクトレス
「あの時、幸せだったなぁ…」という瞬間。
誰もあると思う。あたしがふと思い出すのは大好きだった元カレとの時間。
競馬と車が好きな彼で、ちなみにゲームもお互いに好きだった。
競馬とゲーム。好きな人はすぐに気が付くだろう。かの有名なゲーム。
ダービースタリオン。
なんのシリーズだったかは忘れたが、新しいシリーズが出るということで、2人で一つづつダビスタを買った。
そしてゲーム機もお互いのを用意し、あたしの家(実家ですが)でテレビを2台並べて、一緒にゲームスタート。
最初は黙々と攻略本を駆使し、安くても有能な子供が出来そうな種馬を調べ、黙々と交配させ、ダービーに出せるような馬を作ることに専念。
黙々とと言いながら、彼と「あーでもない、こーでもない。俺はあの馬が好きだ。あたしはこの馬がいいと思う」とお互いに切磋琢磨しながらゲームに勤しむ。
この時間がたまらなく幸せだった。(あたしおかしいかな?)
そしてついに!最高のお馬ちゃんを作ることに成功!!(ダビスタ内でね)
その名も「ピュアアクトレス」通称ピュアちゃん。
栗毛の牝馬でめっちゃ逃げる!とにかく逃げる!わかる人にしかわからんだろうけど、伝えさせて欲しい。
名だたる大きいレースでも、きっちり逃げる!そして、彼の作った馬にも負けない!
元々知識がある彼の捻りに捻って作った馬より、あたしのただの感のようなものでつくられたピュアちゃんが。
なんともいえない表情で颯爽と走り抜くのだ。(ゲームなので表情はないかもです妄想です)
彼に競馬のことでは何一つ勝てなかったのに。ピュアちゃんだけは勝ったんだ!
…あの頃は幸せだったなぁ。
実家暮らしで屋根も壁もついてる家もある。生活の心配もしなくてもいい。
好きな人は頑張って彼氏にしたし、未来はこの人とこんなふうにゲームしながらドライブしながら楽しく結婚生活を送ればいいやと思っていたし。
ストレスで生理もとまることもないし、とまったところで彼に嫁にしてもらえばいいし。
ケンカして、彼の大事な大事な車の運転席に乗り込み、気が付かれて
「俺の車になにするつもりだぁ~!!」って勢いで掴みかけられ。雪道にそのまま捨てられたこともあったけど。
あの時紛れもなくあたしは幸せだった。
今は絡まった糸がほどけることがないぐらい色々なしがらみに揉まれ続け。いつもぐちゃぐちゃな不安を抱えて生きている。
あの頃のような「ピュア」さはもうない。
それならせめて「ピュア」に見える「アクトレス」でいさせて欲しいものだな。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
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