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大山の謎

3週間前まで気ままな生活を送っていたのに・・・
まさかこんなことになるなんて・・・・・・・・・
なぜもっと早く気が気づかなかったのか・・・・・
運命は変えられないのか・・・・・・・・・・・・

片道切符

「次は御来屋、御来屋、お降りの方は先頭車両からご降車ください」
「キキーー ガタン!キキキッーーー ぷしゅーー」

料金を払い電車を降りると、ホームの向こう側に古びた木造の小さな駅舎が見えた。誰もいない改札口には「山陰最古の駅舎」とか書かれた看板が古めかしさをより一層引き立てる。

御来屋駅

改札口を抜けると一人の男性が立っていた。通称まーしー。彼と直接会ったのは3月に1度だけ、しかも名刺をもらっただけ。

この人は見ず知らずの人間を簡単に信用するのか? 私を迎え入れて何のメリットがあるのだろうか? もしかしたら窓のないコンクリートの建物で1か月ずっと働かされるのか? 辛いしんどい毎日が待っているのか?
そんな不安が頭をよぎる。

その不安が現実に!? 辛幸辛幸な2日間
大山を訪れてから6日後になんと2日かけて100㌔強もの長い道のりを歩くイベントに参加することになったのだ!
もう何年もまともに運動していない私にとって、普段なら即答で断っていたがまーしーの「you 楽しく歩いちゃいなよ」というノリにまんまと騙されたのだ。ツライ?キツイ?タノシイ? 忘れるべからず

100キロハイクの様子

彼の正体

 小説のような偶然の出会いから3週間、なぜここ大山に人が集まるのか?町の人や仕事など、大山がどんなところか少しずつ見えてきた。大山の魅力を理解するには時間が全然足りないほどの豊かな自然と温かい人たちで溢れている。そしてなによりまーしーさんが持っている魅力、人を惹きつける恐ろしさの正体は何だろう?

まーしーの魅力


そもそも私がまーしーさんを頼ろうと思ったきっかけは、「小さくはじめる」という言葉。私は学校で経営学を学び、仕事で経営や進路について指導してきた。けど、、、、、、、、私には実社会での経験がない・・・・・・

どんなに素晴らしい知識や事業計画があろうと、商いをしている人の言葉の前では自分がちっぽけに思えてきてしまう。なら自らやりますか?。でも今更。でも才能がない。でも失敗したら、、、、

何から手を付けていいか苦しんでいた時にかけてくれた言葉が「小さくはじめる」だった。たったそれだけで、なんかできそうな気がしてきませんか? 
スターバックスを作る? 古民家カフェを作る? 
いやいや、イベントを開いてコーヒーを無料で振る舞いましょう!!

この3週間、金魚のフンのようにまーしーさんの仕事に同行して感じたことは、とにかくフットワークが軽い。

できるかどうか?好きか嫌いか?を考える前に進めてる。毎朝6時半から始まるラジオ体操、シェアハウスのゴミの後片付けなど、彼はいつでもなんでも楽しんでいる。「今日の大山は特別だ」って毎日本気で言っている。そう言って急に写真をパシャパシャ撮り始める姿は子どもみたい。

大山の魅力

フットワーク軽さと誰もが持っていた子どもの時のワクワク感がまーしーさんを形容する言葉かもしれない。アニメか何かの世界なのかな?っていうくらい、人と仕事が沸いてくる。真似することはできないけど、真似ようとしていたい。

3週間を振り返って

起業するために必要な知識も他の誰かとは違う特別な技術も人脈もお金も誇れるものも私にはない。自分が行きたい道すら見えていない。
「でも」ここで活動してみよう。私には何もないけれど不思議と絶望感はまったくない。ネガティブ「でも」がポジティブ「でも」変わった瞬間だった

近所の風景

毎朝、鳥のさえずりとともに起き、えげつないほど長い地平線を見ながらラジオ体操をし、川のせせらぎをBGMに散歩しながら町の人々に話しかけ、この町の仕事について色々聞いて回る。これだけしかしてないのに、なぜかワクワクしている。この三週間でたくさんの人と出会ったと思う。

古民家再生、シェアハウス、旅行コーディネーター、イベント企画、クラウドファンディングサポート、有機野菜農園、芝農家、梨農家、おにぎり屋、米麹屋、食品会社、教育、ファシリテーター、画家、写真家、イラストレーター、フォトマトペの普及活動、ヨガ教室、事務員、パン教室、日本語指導

自治会の皆さんとフォトマトペ

ライター、ウェブデザイナー、地域おこし協力隊サポート、グランピング事業、ジビエ、投資家、ミニ四駆の動画、スポーツ振興(モルック・ビーチスポーツ)、島巡りなど本当に多くの仕事や取組みをしている方との交流。みんな活き活きしかしていない。

それぞれの人生

今日はどんな大山(だいせん)に会えるのか。どんな素晴らしい人に出会えるのか毎日がワクワク

麓から牛と一緒に眺める大山の絶景、振り返ればあたり一面、夕日で埋め尽くされた大きな海。何とも形容し難い地平線はこの世の果てのような美しさ。そして見上げれば満天の星空。山と海と町がコンパクトまとまっているここ大山町には、様々な生き方がある。

トマシバ(一日貸し切りできるグランピング)

場所なのか?人なのか?引き込まれる魅力がここにはある。なんと恐ろしい魅力なのだろう。皆さんも大山を訪れる際はくれぐれも気を付けて欲しい。知らぬ間に仕事を辞めて片道列車に乗っているかもしれない。そうなったらもう最後。

そう、ここにはそれはそれは恐ろしい魅力という魔物が住んでいるのである。


もう一度言うからよぉーく聞いて欲しい



大山には気をつけろ!!



キミノナワ

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