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読書記録#1:『子どもへのまなざし』 著:佐々木正美

読了後の感想

あぁ、ちゃんと私、この本に出会えてよかった。
20年以上前に発行された本であるにも関わらず、時代を感じさせない(いや、時折すごく感じるのだけど、それを超えて)、本質的で読み手への思いやりに溢れた助言が並ぶ。読みすすめるうちに、これまでの──まだたったの6ヶ月だけれども──、母親としての私が、癒やされるようだった。すべての乳幼児をもつ親たちに、ぜひとも読んで頂きたい1冊でした。

書籍詳細

子どもにとっての乳幼児期は、人間の基礎をつくるもっとも重要な時期です。児童精神科医の著者が、臨床経験をふまえて乳幼児期の育児の大切さを語る、育児に関わる人の必読書です。(福音館書店公式ページより)

印象的な学び

(※あくまで私の解釈です。誤読あればこっそり教えて下さい><)
・乳幼児期は、子どもの望みをなんでも聞いてあげたらいい
しつけを意識して分別(ふんべつ)を教え込む必要などない。たっぷり望みを聞いてもらい、叶えてもらうことで、それを与えてくれた人への信頼感が育つ。人を信頼できるようになると、自分自身を信じることができ、やがて自分の住む世界を信じることができるようになる。自分で希望し、努力すれば、いろんなものが得られるのだと、乳幼児期のころにうんと感じさせてあげよう。

・「ソーシャル・レファレンシング(社会的参照)」
子どもが初めての事象にぶつかって戸惑ったとき、なにか出来るようになって誇らしげな気持ちのとき、振り返ったそこに、いつもの安心できる親の視線があるかどうか。どんな表情でこちらを見ているか?を、6ヶ月くらいからつぶさに感じ取る(参照する)ようになるそう。社会的態度を教えてくれる(参照させてくれる)存在、見守ってくれる存在があることで、子どもの社会性は育つ。逆にそれを欠くことで、想像力の乏しい、社会性に欠けた大人が育ってしまう。

・育児は、育自
「子どもは親の言うことを聞かないけれど、親の真似をする」
子どもを育てることは、自分を育てることなんだー。あ、同じこと言った。子どもに「こうしてほしい」と思うのであれば、同じように自分が出来ないといけない。ご機嫌な子どもでいてほしかったら、自分がご機嫌でいよう、なんていうのは綺麗事BOOKによく書いてあるけれど、でもまぁ結局のところ、自分のご機嫌スイッチどこにあるんだっけ?バグの修正方法は?みたいなことを、地道に試行錯誤し直してみるということなのだね。みんな知っているのかな。完成された「大人」のつもりだったけど、これを機に、もう一度「育て直し」を、ちゃんとしてあげたい、自分に。という気持ちになれたことが、癒やしだったかな。

***
一方で、「正論すぎて辛い」「自らの幼少期と比べてしまい苦しい」というような声もあるようなので、心にいくばくかの余裕があるときにお読みになるのが良いかもしれません。

*END*

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