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荒野を駆けるサンダーバード

みたいな曲が好きだ。

タイトルでおわかりかしら?
そう、『テルマ&ルイーズ』(1991、リドリー・スコット監督)。
荒野を切り裂く緑色のサンダーバード。専業主婦のテルマとウェイトレスのルイーズが半ば不遇の重なり、半ば彼女たち自身の決断で逃避行を繰り広げるロードムービーである。

そんな曲ってなに。

こちらです。

https://youtu.be/7WtDufV5r7A?si=CLDty8oUeE43Fo4P

あとこれかな。

どちらも泣きたくなるくらい眩しくて美しくて刹那的。
「なんて事しちゃったんだろう……でも、これが私たちの人生!」ってアクセル踏むみたいな曲なんです。私見。

音楽は時間芸術、時間とは羊水のようなもの。私たち赤子はその中でしか生きられないし、その中で呼吸して、拍動を繰り返す。
そこに時たま満ち満ちる音楽は私たちの脳内のシナプスを駆け巡り、革命とも言える煌めきを繰り返す。刺激された海馬と大脳皮質が、私たちの心を忘れ去ったはずの記憶の中へぶち込むのだ。
少なくとも私はそう。

音楽を聴いている時、なかなかどうして「音だけを聴く」ことが出来ない。
いつも色んな思いを巡らせてしまう(この癖には音楽やってた時に苦労させられたんだけど)。
まさに水中を漂っているよう。

美しい景色を見たとき、人は「あの稜線がこうなってて……」とか考えるのだろうか。私は「あの鳥はどこまでゆくのだろう!」とか考えている。
目の前のものに集中せずに、目の前のものに耽溺して意識を飛ばしてしまうのだ。ADHDっぽいのかもしれないけれど、診断してないし素人が判断できるものでもないだろうし、診断が降りたところで私は私だし。私にしかなれないし。

まあ、そんなことはどうでも良くて。

緑色のサンダーバードみたいな曲が好きだって話。


『テルマ&ルイーズ』はフェミニズムの先駆的映画だと思う。
「フェミニズム」って言葉に「またかよ」って思った貴方、ちょっとお待ちなさいな。
私が語りたいのは男性嫌悪でも批判でもなくて、二人の女性が人間として解放されていく美しさなの。それをカテゴライズすると「フェミニズム」になると思うし、フェミニズム、ノットイコール、ミサンドリー。そこ、間違えないで下さいな。

テルマとルイーズは、劇中3回同じトラック運転手に出会う。気のいい運ちゃんかと思ったら、ドン引き、2人に下品な仕草をするクソ男(だから待ってってば、男はクソって言ってんじゃないよ、コイツがクソ男だって言ってるの)。
1回目、テルマは愛想笑いをする。
2回目、ルイーズに言われて無視する。
最後は?
それはぜひ自分で観て確かめてみて。今夜観る映画が決まったでしょ?Amazonプライムを開くのよ。

さて、この映画とHYDEであの曲を思い出す人は多いでしょう。

https://youtu.be/bzuuxp7dsxQ?si=T5XVxbuHql5MKJb7

このPVのラストシーンは『テルマ&ルイーズ』のオマージュ。

ぶっ飛ばして心中する気で、私は今日も生きるわ。


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