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Lavashak(ラヴァシャク)を探したら、イランに訪れてみたくなりました

Lavashak (ラヴァシャク) というお菓子をご存知でしょうか。
ペルシャ語名で、Fruit leather(フルーツレザー) を意味する、イランの伝統的なお菓子です。様々な果物(プラム、あんず、ザクロなど)のピューレを薄く固く乾燥させた、酸味と甘みのバランスが良い、柔らかくジューシーな食べ物です。

InstagramでLavashakのASMRが表示され、ヒシャブを被った女性が、酸っぱそうに顔を歪めながら夢中で食べているのをみて、もっちり食感の咀嚼音を聞いて、食べたくなりました。気になる方は「#Lavashak」で検索してみてください。

Source: Lavashak.com (https://lavashak.com/collections/lavashak-bazaar/products/pomegranate-lavashak-sheet)

国内のオンライン通販の取り扱いはほとんどなく、あっても高価。輸入は送料が高い。日本での認知度や流通は十分ではないようでした。
新大久保の「イスラム横丁」にはイラン食材店はなく、主にシーア派のイスラム教徒向けの店舗が集まるようでした。国民の大多数がシーア派のイランという事実が関係しているのでしょうか(間違っていたらごめんなさい)。

見つからないのでLavashakをつくってみた


フルーツレザーのレシピをみつけて作ってみました。いちごをつぶし(お好みで砂糖やレモンを追加します)、煮込んだピューレをオーブンへ。本来は天日干しですが、数日かかるのでオーブンで時短です。
1回目は温度を読み間違えて丸焦げにしてしまい大反省。2回目はオーブン(100℃で数時間)+天日干し2日間で成功。完成品は艶々と香りもよく、ジューシーでおいしかったのですが、コスパが悪い。イランではおいしいフルーツが豊富で安く手に入るのでしょう。つくったことでその贅沢さに気付きました。いつか訪れてLavashakをお腹いっぱい食べてみたいです。

2回目は大成功。これでいちご2パック使っています…
丸めてみると本物っぽい。繰り返しますが、これでいちご2パック分です。
インスタで見るような実物の分厚さをつくるには、かなりの量の果物を必要とします。

日本版Lavashak 、それは「のし梅」


Lavashakを日本のお菓子に例えると「のし梅」という記事がありました。子どもの頃はおいしかった記憶はないのですが、いま食べると、美味しい!竹の皮につつまれ、添加物なし、サステナブルなおやつです。
のし梅の原型は、中国人から梅を原料とする秘薬の製法を伝授され、気付け薬として作ったものだとか(玉屋総本店のパッケージに説明文がありました)。こちらも伝統的なお菓子でした。いつか山形のお店を訪れたいです。

爽やかな甘さと酸味、食感もっちりでおいしい!

イラン食材店 「ダルビッシュ」 へ


やはり本物が食べたい。
試行錯誤の最終地点、小伝馬町の「ダルビッシュ」へ行ってきました。デーツとお茶のおもてなしを頂きながら、店内を見渡しても見つかりません。店主にお伺いすると、「あるかも」と呟き、なぜかお会計後にプレゼント!涙が出るほどうれしかったです。味は甘じょっぱく、のし梅よりも梅シートに近い感じで、とてもおいしかったです。

「ダルビッシュ」店主とLavashakと筆者

Lavashakは人気の高い商品のため、買い占めを防止するために棚には並べていないのだとか。本場の作り方も教えてもらいました。店主アムハサン氏との時間はあたたかく、イランのこと、地域活動のことなどを教えてくれました。

イランの都市エスファハーンは、歴史的・文化的に重要な町であり、16世紀末頃の繁栄は「エスファハーンは世界の半分」と賞賛されたとか。調べると独特の美しい建造物にため息がでました。
いつか訪ねてみたい町です。ダルビッシュの店主との交流から、イランに訪れたくなりました。対面は偉大です。

「ダルビッシュ」の店内の様子

ダルビッシュ ショップ
住所:東京都中央区日本橋小伝馬町18-4 上野ビル1F
電話:03-6661-9848

Lavashakから「イスラム」世界を知ることへ

イランは同性愛者への迫害、女性の経済活動や行動制限などジェンダー格差の問題が根深いということ以外、あまり知りませんでした。イスラム世界の理解も十分ではなかったので、現在に続く中東問題の基本やイスラム教内の対立、イスラムと世界の対立を学び直しています。
こちらの池上彰さんの本はとても分かりやすかったです。

次回も、世界の伝統的なお菓子から世界を知りたいと思っています。

池上彰.池上彰が読む「イスラム」世界知らないと恥をかく世界の大問題 学べる図解版第4弾. KADOKAWA. 2014


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