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風の特訓

子供のときに
謎に風の特訓なるものが
我が家にはあった。
弟がとにかく気弱で
踏切のおと
風のおと
雷のおと
など、激しい音におびえてしまい
すぐ泣いて動けなくなってしまっていた。
やさしい子で、まわりの女の子のおままごとにも
嫌な顔1つせず、にこにこ付き合っていたし
私が男の子たちとけいどろ(警泥)という遊びを
やるときも一生懸命、遅れをとらないよう
泣かないようについてきてた。
私が守ってあげなければとも 勝手に思っていた。

父や母も優しすぎて
すぐ泣いてしまう弟を心配して
風の特訓をはじめたんだと思う。
どんなものかというと
今日みたいに風が強い日に
わざわざ 困難のある遊びを
一緒に思いっきりやるというものだった。
たとえば、バトミントン
たとえば、カラーボールでの野球
たとえば、風にさからって走る
その日のコンディションによって
本人の様子もみながら時々やっていた。
はじめは泣いてしまっていた弟だったが
何ヶ月かすると
だんだん泣かなくなっていった。

少しだけ、大きな音にも慣れていき
踏切がなりだすだけで
こわいよーって泣いていたのに
それも泣かなくなっていった。
風の特訓の成果なのだろうか。


小さいなりにも
よく泣いてしまう自分のことを
少し変えていきたいと
本人も思っていたようだった。
だから、面倒だなと思える特訓も拒否はせず 
がんばっていたんだ。
私も自転車の練習などで
ときどき厳しく言いすぎて
泣かしてしまったことを振り返って
反省したりしていた。
気弱で優しい弟の中にある
負けないぞ!!って気持ちをはじめて
風の特訓で見た気がしたんだ。


当時をふりかえって
色々ごめんねと思う。
私たちはすごく仲良しだったけど
時々、駄菓子を買いに行ってもらったり
物をとってもらったり
弟の優しさに甘えてた時代もあった。
でも、やっぱり泣かされないようにと
ちょっと強い男子に絡まれると
私が出ていって
わざわざ騒いで大人の注目あつめ
大人に注意してもらったりして
なにかと気にかけて生活していた。


だけど、成長していくたびに
本当に少しずつ
弟はたくましくなっていったんだ。

人はつよくなれるんだなと思う。
あんなに泣いてばかりだったのに
学級委員をやったり
生徒会入ったり
野球部の部長やったりするようにも
なっていった。
自分が変わりたいって思ったときに
その力は発揮される。
だれからか押し付けられたものだけでは
だめだったと思う‪。本人の意思が大切だ。
いまは、すっかりたくましいおっさんになった。
責任ある仕事も真面目にがんばっている。
泣き言もいわないで前向きだ。
メタボだけれどね( ¯ᵕ¯ )


今日は風がすごくつよかったので
泣き虫だったころの
可愛かった弟を
懐かしく思い出していたんだ。

そして自身のことも考えてた。
つよくなりたいって
すごく思った時期があった。
いま、あのときになりたいと思ってた自分に
少しだけ近づけているかな。
まだまだなのかもしれないけど
自分が進化していきたいと思う限り
成長していくことは
できるんじゃないかと思う。

風の特訓のように
いまは、少しだけ自分に負荷をかけながら
音声配信の特訓をしているよ。
自分がやりたくてやってることだから
楽しみながら、がんばるねー٩(„❛ ֊ ❛„)❁

風つよかった今日の1枚✨



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