伝えることより接遇
総合病院の窓口で働くようになって、
はや5か月が経ちます。
前職の学校現場とは全く違う職業ですが、
おかげさまで何とか業務も覚えて、
ひと通りの流れ作業はできるようになりました。
病院という場所は、意外とアナログです。
さすがにカルテは電子化になっており、
パソコンの画面で見ることができますが、
その他のほとんどの業務が紙ベースです。
勤務時間の管理もカード式と紙の併用で、
問診票も紙、看護師さんとの連絡も紙か付箋です。
これから電子化になるんでしょうかね。
そして、病院の窓口業務は様々な方との応対があるので、とても勉強になります。
待ち時間が長い、会計はどこだ…などなどいろいろな要望やクレームなども受け付けています。クレームなどで怒ってくる方は中年男性の割合がなぜか多いです。
窓口の仕事のほとんどが女性です。怒ってくる方々からは、私たち窓口対応を見下している感も時々見受けられますし、受付に立つ人間を見てから怒る傾向があります。
これがわかった時は「日本人って…」と少し悲しくなりました。
他にも、検査から戻った時は受付に声をかけるのがルールですが、受付に寄らずにそのまま待っていて「順番まだですか?」というのもあります。
また、他の病院からの紹介で来る患者さんに対しては、窓口で多くの情報を伝えなければいけません。
情報量が多いので、クレームを少しでも減らすために正確に伝えることに重きを置いて業務を行っていますが、どうも「正確に伝える」ことはあまり大切ではないらしいです。
先輩職員の方からのアドバイスは、
「正確に伝える」よりも「目の前の患者さん一人ひとりに丁寧に対応する接遇」の方が大事、
ということでした。
これを聞いて不思議でした。
前職が教員だったので、「正確に伝える」ことが大切だと思っていました。
違う世界もあるんだな、ということがわかりましたが、「それってどうなんだろうか…?」とモヤモヤしています。
正確に伝えないと、患者さんの動きも悪くなり、より煩雑になってしまうのではないかというのが私の考えです。
負のスパイラルができてしまうと、患者さんも私たちも回らなくなってしまうのでないでしょうか。
だから、現在は接遇が大切という考えに疑問をもちながら業務を行っています。
患者さんが困ることなくお会計までたどり着くよう、言葉を選んで話すように気をつけるようになりました。
特にご高齢の方は方言を使って話すと、
より理解していただけます。
でも、それは「接遇」とはかけ離れているので、こっそりと使うようにしています。
「接遇が大事」というのは、
外国人の患者さんに対しても同様だそうです。
最近では、「やさしい日本語」を使う傾向になってきているのに、病院では敬語を使わなければいけない…それで本当にいいのかと思ってしまいます。
この病院の窓口業務で感じていることは、
みんなに優しい世の中になればいいのになぁ…ということです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?