30歳を迎える前に。

これは、明日6月28日に30歳を迎える29歳のアラサー独身女子の私が残しておく記録だ。徒然草以上に徒然しているだろうが、まあお許し願いたい。

自分にとって、誕生日は「年を重ねる日」ではなく「その年まで無事に生きられたことを祝う日」だった。
別に難病などでもなく、いたってフツウの健康な人間ではあるが、誕生日は自分にとってなんとなくそういうものだった。理不尽や事故や事件、病気や怪我、災害。そういったものを回避し、ここまで生きてこられた。それは、自分にとってめでたいことだったのだ。

20代までは、わりと誕生日が来ることを楽しみにしていたと思う。普段ほとんどスイーツを食べない私でもケーキを食べ、家族や友人から祝福のメッセージやプレゼントをもらう。ときには、自分で自分におごってあげることもある。まあそれなりに、特別な日だったわけだ。

ところが、そんな私でも、30代という新たなカテゴリに突入することは「少し嫌だな」と思ってしまった。なぜか。
やはり「社会的な目線」「自分への自信のなさ」が大きいことは否定できない。

・アラサー女子。アラサーっていうかサー
・30代、未婚。彼氏なし
・30代、フリーランスの駆け出しライター。収入不安定
・30代、自分の「幸福」「成功」がいまだに定義できず

……ウウ、書いてるだけでなんか気分が落ちこんできた。
とにかく、まあ現在の私の実態はこんな感じなのである。今までは健康体で生きてこられたが、「30歳を過ぎると体もほころびが出てくる」とはよく聞く。
まずい。恐怖しかない。

そうだ、恐怖だ。幸い家族は健康だし、友人にも恵まれているけれど、30代という未知のステージに対して、そして、ある程度社会でできあがっている「30代とはこういうものだ」みたいなイメージに自分が当てはまっていないことに対して、確かに私は恐怖を感じている。
28歳までに結婚する、とか言ってたのにねえ。

今まで、小中高と問題なく優等生で過ごし、大学も4年間それなりに楽しく過ごし、問題なく公務員になって、そこでものすごく苦しくなって、そのまま仕事を続けることがどうしても嫌になって、私は29歳で公務員を辞めた。そして、今に至る。

正直、この先不安しかない。認めたくはないが、やはり不安しかない。
今まで真面目な優等生で来すぎたせいで、「ぶつかること」「戦うこと」「逃げること」「周りの目を気にしないこと」「主張すること」、こういったことがほとんど身についていない。
昼間は元気でも、夜にフッと不安と恐怖が襲ってくる。独身だし、生活できるほど稼いでいないし、このままではいけない気がする。しかし、どうすればいいのだろう。
こんな漠然とした不安と恐怖を分かち合える人は、身近にはいない。

そんな中で、私は明日30歳になる。
立ちすくんでいても、時間は否応なく過ぎていく。

40歳を迎える前に、私は何ができるだろうか。
このまま漠然と日々を過ごしていたら、あっという間に次のカテゴリに入ってしまうことはもうわかっているのだ。

30歳を迎える前に、自分のごちゃごちゃした気持ちをまとめておきたかった。
正直、別にすっきりもしていないし、気持ちが整理できたわけでもない。それでも、とりあえず書き出せてよかった。何も書かないよりは、「書いた」っていう行動ができたから。

30歳になるまで、あと一時間か。
とりあえず風呂に入って、身を清めるとしよう。

30歳の自分に幸多からんことを。20代最後の夜、29歳の私は心から祈る。

#エッセイ #コラム  #誕生日 #アラサー #30歳


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