演劇舞台をテーマに考える需要と供給のバランス
先日、現役舞台役者の友達と話をしながら、演劇の舞台というものについて考えていました。
結論、小劇場は出演したい俳優さんと見に行きたいお客さんの数、需要と供給がマッチしていないと思いました。
経験したからこそ分かる小劇場の舞台出演について、まとめてみようと思います。
1.需要
今までの人生の中で、演劇の舞台を観に行ったことはありますでしょうか。
宝塚や劇団四季、ブロードウェイのミュージカルは観に行かれたことがあると思いますが、小劇場はどうでしょう。
会社で働く友達と、舞台に出演していたことがあるという話をすると、「舞台を一度も観たことがない」と言う人がほとんどです。
僕も俳優を目指し、自分が舞台出演をするまで、舞台を観に行こうと思ったことがありませでした。
そう考えると、これまでの人生で、演劇の舞台を観たことがある人の人口は、どのくらいいるのでしょうか。
そもそも演劇の舞台に触れることが無いという理由で、演劇の舞台はあまり需要がありません。
2.供給
俳優になりたいと夢を持った人が、手っ取り早く演技力を身につけられ、演技の場数を踏むことができる場が、舞台出演です。
そのため、俳優になる夢を持った人の数だけ、出演する舞台が必要となります。
俳優さん側の立場で考えると、観に来てほしい舞台の数は、山ほどあります。
つまり演劇の舞台は、需要(観に行きたいお客さんの数)に対して、供給(舞台出演したい俳優さんの数)が合っていません。
3.結果
需要と供給のバランスが合っていない結果、どうなるか。
1つ目は、合っていないとはいえ空席だらけの状態で舞台公演を行うことはできません。
なぜなら舞台を借りる費用と、裏方のスタッフさんに払う費用がかかるからです。
空席を埋めるために、家族や友人にお願いして集客をしなければなりません。
2つ目は、出演する俳優さんへの報酬がほとんどありません。
具体的な内訳は分かりませんが、劇場を借りる費用、裏方のスタッフさんへの給与、演出家の報酬、主役として知名度が高い俳優さんを呼ぶ場合はその人への報酬。
チケットを多く捌いてくれた俳優さんへのチケットバック。
それ以外の俳優さんへの報酬は、ほぼゼロです。
普通に会社で働けば、1から2ヵ月働くだけで支払われる、時間に対しての対価がありません。
結果的に、舞台をメインとして働く俳優さんは、お金に困った生活が余儀なくされます。
舞台に出演したことがある人のみが知っていて、これから俳優を目指す人が知らないこの現実を、知っておいてほしいと思います。
まとめ
どうしたら、この問題を解決できるか。
現役舞台俳優の友達と、元舞台俳優の僕で話していても、答えは出ませんでした。
この課題に対する答えがあるのであれば、俳優を目指す人がもっと活動しやすい世の中になると思います。
現時点ではこういった事実を記事にして広めることしかできませんが、将来的にはそういう人達に役立つ事業ができるように、なりたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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