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冒険が深める家族の絆

2010年4月17日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。

 青森・八甲田山に、父三浦雄一郎を筆頭に兄家族と僕の妻子と三浦家親子3代で行って来た。
 父はそこで自分の子供時代の話をしてくれた。それは祖父(敬三)が当時、家族全員を連れて、青森駅から延々と12時間以上かけて八甲田へ歩いて登り、雪渓の下にテントを張ってキャンプをしながらスキーを楽しんだというものだ。三浦雄一郎の得意とする、家族ぐるみの冒険もどうやらこのあたりにルーツがあるらしい。

 世間では冒険家というのは家族を置いて何ヶ月も命を賭けた挑戦に出かけるというイメージがある。もちろん、三浦雄一郎も何ヶ月も家を留守にしてきたが、生きて戻ってきたとき、家族を連れ出して自分の体験した世界をのぞかせようとした。
 富士山をはじめ、アフリカ最高峰のキリマンジャロ、ロシアのコーカサス山脈のエルブルース、スイスのモンブラン、南米のアコンカグア、北極圏の旅など、時には命がけの冒険に僕たちも同行する。
 冒険を続けているうちに、山の歩き方、呼吸の仕方、道具の使い方、そして父、母、兄弟たちの役割が自然に分担されていく。習うより慣れろ、となる。

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