上村 ターンの真骨頂
2010年2月20日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。
バンクーバー五輪、女子フリースタイルモーグル決勝。スタート前、上村選手は大きく深呼吸をした。視線はコブのライン上に向けられる。集中力が研ぎ澄まされているのが、モニターを通じてもわかった。
スタート直後からスピードに乗り、最速ラインを滑り降りる。第1エアーを見事に決めてスムーズにラインに入る。しかしスピードに乗った中盤、僕は一瞬背中に冷たい物を感じた。彼女の体が遅れ、後傾になったからだ。しかし、彼女は落ち着いて立て直し、これまで通りスキーを直線的にコントロールした。
上村選手が身に付けたカービング技術というのはスキーの振り幅を最小限に抑えながらコブの起伏を立体的になぞる高度な技術で、主に男子の技術である。
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わずか11歳でキリマンジャロを登頂。フリースタイルスキー、モーグル競技では10年間にわたり全日本タイトル獲得や国際大会で活躍。引退後は冬季…
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