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若手弁護士「ホンネ調査」Vol.6:“4大”出身者から見た三浦法律事務所とは? 4大法律事務所からの移籍コンビが語るホンネ(後編)

2019年創業の三浦法律事務所は2020年、新人弁護士採用を開始します。設立当初は3人しかいなかったアソシエイト弁護士も現在は9人まで増えました。当事務所に興味がある方や、ファーストキャリアの候補の1つとして当事務所を考えている方に少しでも事務所の雰囲気や若手弁護士としての働き方のイメージを持ってもらえるよう、アソシエイト弁護士にインタビューを敢行しました。それぞれが何を考え、何を求めて三浦法律事務所の門を叩いたのかを探ります。

第6回は、大草康平弁護士と皆元大毅弁護士のインタビュー後編をお届けします。いわゆる“4大法律事務所”から移籍してきた2人の仕事内容はどう変化したか、またアソシエイト時代から個人受任をすることで何を学べるのかを聞きました。

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(左から)大草 康平(おおくさ・こうへい)PROFILE:2015年弁護士登録(68期)。12年東京大学法学部卒業。15~20年2月西村あさひ法律事務所。17~19年経済産業省経済産業政策局産業組織課へ出向。20年3月に三浦法律事務所参画

皆元 大毅(かいもと・ひろき)PROFILE:2016年弁護士登録(69期)。15年慶應義塾大学法科大学院修了。16~20年1月西村あさひ法律事務所。20年2月に三浦法律事務所参画

――みなさんにお伺いしていますが、三浦法律事務所に来てからどんな仕事をしていますか?

皆元 大毅弁護士(以下、皆元):私はM&Aや訴訟・紛争案件が多いですね。M&Aは上場企業から中小企業の事業承継、グループ内組織再編などさまざまで、訴訟・紛争についても労務関係、名誉毀損、売掛回収など企業関連のトラブルは幅広くやっています。移籍してはじめて上場企業のM&Aを経験しましたが、その案件の担当パートナーのプロフェッショナルな仕事ぶりはすごく勉強になりましたし、細かいところまで指導してもらえたのでとてもありがたい経験となりました。

大草 康平弁護士(以下、大草):私は前編でもお話したようにM&A・コーポレート案件をメインにやりつつ、幅広い分野の案件に携わっています。それ以外では、この事務所に移籍後はじめて個人受任した案件がとても印象に残っています。自分に直接案件をご依頼いただいて、委任契約を締結したり、案件が無事に終わってから請求書を自分の名前で出して、報酬をいただいたり、という一連の流れを初めて経験して感慨深いものがありました。

――個人受任の可否や受任時の制約などは事務所によって異なりますよね。あと、個人受任ができるか否かが事務所選びにおいて重要なポイントだと考える弁護士もいるようですが。

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大草:人によると思いますが、クライアントとの関係において自分が一義的に責任を負うことになるので、そうした立場に自分を置いた方が弁護士としても早く成長できると思っています。事務所として受ける案件に対しても当然責任や主体性を持って取り組みますが、個人受任案件の方が「自分の案件」という意識が強まります。

皆元:個人受任の良さは、アソシエイトが自分の責任で請求する点にもあると思っています。慣れれば「自分が提供したサービスに対していくら請求するか」という感覚が分かってくるのかもしれませんが、経験してみないと分からないですし、こうした感覚をアソシエイトから経験できるというのはすごく貴重だと思います。

また、パートナーからは「個人受任できる案件があるならそれは一生懸命頑張りなさい」と言ってもらえるので、事務所の仕事が忙しすぎて受任できないということもないです。結果として忙しくなることもありますが、どの案件も主体的に取り組める環境が整っているので充実感は大きいです。

大草:先ほどお話した案件もそうでしたが、個人受任の案件も自分一人だと手に負えないような内容や規模の場合は、パートナーに相談して共同で進めることができます。企業法務全般を扱い、専門性の高い弁護士が集まる事務所だからこそ、どんな案件にも安心して取り組むことができます。

――前の事務所と比べて、今の事務所の雰囲気はどうですか?規模が違うと雰囲気も違いますか?

皆元:雰囲気はすごくいいですし、話しかけやすい弁護士が多いです。個室ではなく他の弁護士がすぐ近くにいるため、電話対応一つとっても先輩弁護士の受け答えを近くで学ぶことができます。

大草:前の事務所は数人で1部屋という感じだったのに対し、今は全員が同じ空間にいるため、雰囲気だけでなく物理的にも気軽に先輩弁護士に相談に行きやすいです。また、少人数の部屋の方が集中できるのではないかと思っていましたが、少人数だとかえって同部屋の人の挙動がとても気になるときもあり、今のフラットなレイアウトはそれが薄まるので結果として雑音とかもあまり気にならないです。感じ方に個人差はあると思いますが(笑)。

――今後、自分自身は弁護士としてどう成長していきたいですか?

大草:将来的には自分でクライアントを獲得できる弁護士になりたいので、雑食的に何でもやります、何でもお願いしますという関係をクライアントと築くことができるといいなと思う一方、わかりやすさの観点からは専門性を磨くことも重要だと考えています。具体的にどの分野を突き詰めるかは考えている途中ですが、法改正される分野は若手にも開拓するチャンスがあると思っています。

皆元:私も中長期的には大草弁護士と同じですね。

――案件をとってくる弁護士になりたいと。

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皆元:なりたいですね。そのためにどうしたらいいかを日々模索しています。いろんな案件に関わることができるため、専門性を磨くにしても早いうちから“何か1つ”に絞る必要もないですし、強制的に絞らされる環境でもないので、興味のある分野でチャレンジできればと思います。

大草:先ほどもお話しましたが、「何時から何時まで事務所にいなさい」という雰囲気ではないので、工夫すれば新しい分野・改正分野などを勉強する時間も作れますし、営業時間後に事務所外の人と食事をしながら意見交換を行ったりする時間も作れます。そういう意味でもしっかりと将来のことを考える時間を取りやすいのではないでしょうか。

――留学や出向についてはどう考えていますか?

皆元:大草弁護士は経産省に出向していましたが、私もどこかのタイミングで事務所の外に出て経験を積みたいです。それが出向になるか留学になるかはまだわかりませんが。

大草:官庁への出向は、法律がどうやって作られるのかや、行政の意思決定のプロセスなどを見ることができたので貴重な経験でした。省庁と円滑にコミュニケーションをとる方法が分かるなど、出向経験があるからこそ案件で役立つことが多くあります。留学もよいと思う一方、最近は法律事務所へ依頼をする側の視点に立てる企業への出向も面白そうだと思っています。

――最後に、どういう人が三浦法律事務所に向いていると思いますか?

大草:三浦法律事務所はまだこれからできあがっていく事務所なので、完成された場所で働きたいタイプより、作り上げていくことをおもしろいと思える、自分もそこに関与していくぞと思えるタイプの弁護士が向いているのではないでしょうか。事務所の特徴の1つとして多様性が挙げられるように、性格としてはいろんなタイプがいて良いと思います。

皆元:すごく抽象的ですけど、明るい人がいいですね。ずっと一緒にやっていく仲間になるのでポジティブで明るい人がいいですし、同じ案件に一緒に取り組んで、案件が終わったときにその喜びを分かち合える後輩がほしいです。

PHOTO : SHUHEI SHINE

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