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中国最新法令UPDATE Vol.11:中国におけるサイバーセキュリティー法の改正(意見募集案)

1. はじめに

2022年9月12日、中国の国家ネットワーク信息弁公室は、「サイバーセキュリティー法」の改正案(以下「本意見募集案」といいます)を公表し、意見募集を行っています。(※1)

※1 原文:关于公开征求《关于修改〈中华人民共和国网络安全法〉的决定(征求意见稿)》意见的通知。

最近、中国・アジアにおいて、データプロテクション関係の法令の改正が急速に進んでいます。インドネシアにおけるはじめての個人情報保護法制定については、「インドネシア最新法令UPDATE」 Vol.20をご覧ください。

今回は、中国におけるデータプロテクション関係の動きとして、中国におけるサイバーセキュリティー法の改正に関する意見募集案につき、紹介します。

現在、中国におけるデータプロテクションと関係する法律は、大きく、①サイバーセキュリティー法、②データセキュリティー法、③個人情報保護法の3つがあります。この中で、サイバーセキュリティー法が最初に制定されたものであり、2017年6月1日から施行されているものです。その後、データセキュリティー法(2021年9月1日施行)、個人情報保護法(2021年11月1日施行)が制定されています。これら3つの規制対象行為には、一部重複しているものもあります。しかし、データセキュリティー法、個人情報保護法では、より厳しい罰則・制裁が定められていることから、サイバーセキュリティー法における罰則・制裁の内容との整合性が分かりにくくなっています。

今回の意見募集案では、このような問題点を是正するために、サイバーセキュリティー法における罰則・制裁につき、大きく引き上げる(より厳しい罰則・制裁を定める)改正が提案されています。例えば、「前年度売上高の5%以下の過料」といった売上高に着目した制裁内容や、違反行為につき責任を負う個人に対する一定期間取締役や監査役に就任することの禁止措置といった、現行のサイバーセキュリティー法には定められていない新たな制裁内容が定められています。

2. 意見募集案の具体的な内容

この意見募集案からもわかる通り、中国では、データプロテクション関係の法令の執行をより強化していく姿勢が打ち出されており、中国現地法人をお持ちの日本企業の皆さまにおいては、中国現地法人におけるデータプロテクション体制・コンプライアンス体制をより強化していく必要があります。
意見募集案の具体的な内容は以下をご覧ください。

本意見募集案1条

本意見募集案2条

本意見募集案3条

本意見募集案4条

本意見募集案5条

本意見募集案6条


Authors

弁護士 井上 諒一(三浦法律事務所 パートナー)
PROFILE:2014年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)。2015~2020年3月森・濱田松本法律事務所。2017年同事務所北京オフィスに駐在。2018~2020年3月同事務所ジャカルタデスクに常駐。2020年4月に三浦法律事務所参画。2021年1月から現職。英語のほか、インドネシア語と中国語が堪能。主要著書に『オムニバス法対応 インドネシアビジネス法務ガイド』(中央経済社、2022年)など

弁護士 趙 唯佳(三浦法律事務所 カウンセル)
PROFILE:2007年中国律師資格取得。2007~2019年森・濱田松本法律事務所。2019年4月から現職

弁護士 袁 智妤(三浦法律事務所 外国法弁護士(中国))
PROFILE:2018年中国法律職業資格取得。2018年中国華東政法大学卒業、2021年慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了。2022年12月から現職


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