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即興で答える8の質問【尾西祥平 弁護士編】渋谷オフィスを立ち上げた理由(下)~SHIBUYA QWS編~

2019年1月創業の三浦法律事務所は設立1年で弁護士40名以上を擁する急成長中の法律事務所です。おかげさまであらゆる方面から注目いただき、「ミウラってどんな事務所なの?」というお声を頂戴します。

そこで私たちがどのようなチームなのかが少しでも伝わるよう、メンバーの個別インタビューを敢行します。「あらかじめ準備された回答では熱量は伝わらない!」ということで、弁護士の空き時間を狙って突撃インタビュー。即興で質問に答えてもらうことで、事務所の雰囲気やメンバーの人となりを探ります。

本企画第3弾は、尾西祥平弁護士のインタビュー後編をお届けします。後編では「三浦法律事務所」の開業前から進行していた「渋谷オフィスプロジェクト」のウラ話や、弁護士として働く上で大切にしているマインドなどを聞きました。

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(関連リンク)即興で答える8の質問【尾西祥平 弁護士編】渋谷オフィスを立ち上げた理由(上)~おにさんぽ編~

Q5:前編では、「ここから数々のご縁が重なって、渋谷スクランブルスクエアやオフィスが入居しているフロア「SHIBUYA QWS」にたどり着くことができました。」と言っていましたが、具体的にはどんな経緯で最新の施設に入居することができたんですか?

――まず、「SHIBUYA QWS」とは、渋谷スクランブルスクエアに開設されている共創施設の名称です。「渋谷から世界へ問いかける可能性の交差点。未来を創り出す新たな問いが、ここからはじまる。」というコンセプトのもと、イノベーションの種を生み出し社会実装をサポートすることを目的としています。「SHIBUYA QWS」との出会いは、これまでのご縁の積み重ねがもたらしてくれたプレゼントのようなものでした。感謝も込めて少し経緯をお話させてください。

私が日ごろからお世話になっている方にSansan株式会社のコネクタであり、「渋谷をつなげる30人」のエバンジェリストとしても活躍されている日比谷尚武さんという方がいらっしゃいます。彼が渋谷で経営しているロックバーには自然と面白い人々が集まるのですが、そこで日比谷さんから紹介を受けたのが東急株式会社でオープンイノベーションを推進している加藤由将さんでした。加藤さんなら力になってくれるのではないかと思い、渋谷オフィス用の物件を探していることを相談したところ、その日のうちに東急でリーシングを担当している福島啓吾さんを紹介してくれました。さらにその福島さんから「何も約束はできないけど一つだけ飛びっきりの物件があるのでつなぎます」と言われて紹介を受けたのが、2019年11月に開業予定だった渋谷スクランブルスクエアの担当者である野村幸雄さんでした。

野村さんと初めて会った日のことは今でも覚えています。こちらはまだ事務所も設立されていない状況でしたが急きょピッチ資料を作成して東急のオフィスに伺いました(笑)。まだ形もない法律事務所が渋谷にオフィスを構えたいというわけですから、野村さんからしてみれば随分と怪しげな弁護士に見えたのではないかと思います。それでも当時の渋谷のオフィス用物件の空室率からすると、これが最初で最後のビッグチャンスだということは分かっていたので、なぜ私たちが渋谷を目指すのか、どのような価値を提供できるのかといったことについて、とにかくなりふりかまわず熱弁しました。

野村さんはこちらの説明が終わるまで一言も発しませんでした。どのようなリアクションが返ってくるのか不安でしたが、こちらの説明が終わった後、一言「素晴らしいです。ぜひ一緒にやりたいです」と仰ってくれました。断られる可能性が99%だと思っていたので、本当に嬉しかったことをよく覚えています。今、こうして「SHIBUYA QWS」に入居することができているのは、日比谷さん、加藤さん、福島さん、野村さんのおかげです。この場を借りて改めて感謝申し上げます。

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「おにさんぽ」から渋谷オフィスがある渋谷スクランブルスクエアに戻る尾西弁護士

Q6:私も最初のプレゼン資料作成やプレゼンに同席しましたが、「まだ誕生してもいない法律事務所をプレゼンする」ことに難しさを感じながらも、たくさん向き合って、考えて、ドキドキわくわくする瞬間でしたよね。さて、そんな渋谷オフィスのコンセプトは?

――渋谷オフィスを立ち上げるにあたり、3つのコンセプトを掲げました。それは、「Consulting」「Culture」「Community」です。

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まず、「Consulting」。これはすでに多くの弁護士が意識しはじめていることだと思いますが、今後、エグゼキューションを基礎としつつ、どこまでコンサルティングの領域にチャレンジできるか、ということが重要になります。私たちの仕事の本質は、脳に汗をかき、必死に知恵を出してクライアントの希望をかなえるために伴走することであり、そのような価値を提供するからこそ高額な報酬をいただくことができているわけです。

この話をするとよく誤解されるのですが、クライアントのビジネスに積極的に関与することを目的としているわけではありません。私は、弁護士は本質的には黒子だと考えていますから、クライアントのビジネスに過剰に関与することを「ビジネスにコミットする」ことだとは思いません。私たちには私たちなりの戦い方、バリューの出し方があります。法律事務所に所属する以上、あくまで法律家としてクライアントの戦略を支えていくことが本質的な価値の提供ではないかと考えています。

次に、「Culture」。新しい価値を探求・創造できるカルチャーを基盤として、クライアントが大企業であるかスタートアップであるかを問わず、クライアントのパートナーとしてチャレンジを支え、ドライブさせることができる、そのような関係性を構築していきたいと考えています。そのためには常に自分自身をアップデートしつづけなければなりませんし、情熱を保ちつづけることが重要になります。クライアントのカルチャーと私たちのカルチャーが相互に交わりシナジーを発揮することで、日々新しいページをめくることができるような場所にしたいですね。

最後に、「Community」。弁護士は人と会うのが仕事ですから、自ずと交友範囲が広くなります。クライアントもレガシーな大企業から、会社設立前の個人までさまざまですし、VCやコンサルタント、その他の士業、政府や自治体、大学・研究機関との付き合いまで色々とあります。私のところには日々、法律に関係しない雑多な相談も持ち込まれるのですが、一番喜びを感じるのは信頼できる人がつながっていった結果、ポジティブな化学反応が生じたときです。この動きをより組織化することで、私たちをハブとする良質なコミュニティを形成し、継続的に新しい何かが生まれる環境になることを期待しています。

Q7:今後の渋谷オフィスの増員予定は?

――現在、渋谷オフィスには、日置巴美弁護士と私が常駐しています。日置は、私が所内で渋谷オフィス設立構想を初めてプレゼンしたときに、真っ先に「一緒にやりたい」と手をあげてくれました。日置と私はキャラクターや弁護士としてのタイプは全く異なるのですが、根本的な部分の価値観は共有されているように思います。

今後も渋谷オフィスのコンセプトに共感してくれる弁護士が現れれば、当然増員をしていきたいと考えています。私は音楽が好きなのでよくこの例えを用いるのですが、個々人がそれぞれ一流のシンガーやギタリストやプロデューサーであれば、それらが結集することで素晴らしいバンドが出来上がり、そのようなバンドがいくつも生まれれば最高のレーベルが誕生するわけです。弁護士としての腕さえよければいいわけではないし、個性だけ尖っていても高いレベルでのチャレンジはできません。その意味では、常に今いるメンバーよりも優秀でおもしろい弁護士を採用し続けたいと思っています。“Hire and Develop The Best”(アマゾンが掲げるリーダーシッププリンシパルの1つ)のスピリットを大切にしています。オフィスの扉を開けば楽しい仲間が待っている、むしろ誰もいないと少しがっかりするような、そんなオフィスにしていきたいですね。

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尾西弁護士の執務スペース

Q8:2020年にやりたいことは?

――まずは、事務所の組織作りに注力したいです。弁護士の採用ももちろん大事ですが、弁護士以外の体制をどのように構築するかということも非常に重要です。何年かかかると思いますが、秘書やパラリーガルだけではなく、マーケティング、広報、人事、財務、ITなど豊富な人材の集合体として機能させていきたいです。

 次に、渋谷オフィスを軌道に乗せることです。せっかく作ったのに失敗だったね、と言われないように頑張ります(笑)。幸運なことに私が想像していたよりも渋谷オフィスに期待を寄せてくれる方、あたたかな言葉をかけてくださる方が多くいらっしゃいました。そのような方々からの思いを裏切ることがないように、誠実に、情熱的に、そして楽しみながらやっていきたいと思います。

最後に、昨年、ティザーサイトを立ち上げたイノベーション・プラクティス「UNLOCK」の本格稼働です。これはイノベーション・エコシステムの構築と活性化に向けた現時点での三浦法律事務所なりのアンサーだと考えています。

三浦は日ごろから「若手や中堅が主体となる法律事務所ができたら彼らの選択肢を増やせる」という話をしています。実際にその選択肢に魅力を感じたすばらしい中堅・若手弁護士が次々と参画しています。大切なことは、三浦からこの言葉を受け取った私たちがこの事務所を陳腐化させないために、目指すべき価値(もちろんそれは一つである必要はありません)を共有し、ビジョナリーな組織であり続けることだと考えています。弁護士以外の人材が輝くことも、渋谷オフィスの開設も、「UNLOCK」も、私の中ではその文脈において全てがつながっています。

とにかくやりたいことが多すぎてアイデアもどんどんあふれてくるので今年も大変な1年になりそうです(笑)。

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