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激辛モグラ対策|小さな森のような畑観察日記2021.09.01

この日記をつけ出してから、スズキくんに会うたびその日の仕事内容を聞くようにしている。

この日、イエノトナリ畑のモグラ対策をするというので見に行くことにした。モグラはボコボコと穴を掘って畑を荒らし、作物などをダメにしてしまうのだ。現在畑に大量発生しているらしい。

関係ないがモグラ対策と聞くと、頭の中ではなんとなくモグラ叩きを想像してしまうのはなんでだろう。

畑に着いた。

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あれ、思っていたより人数がいる。スズキくんのアシスタント・さくらさんと神戸から群言堂インターンに来ている二人がヘルプに入っていたのだった。

頑張ってるな〜と思い畑に入ろうとふと足元を見ると……

ぎゃああああああー!!!!!

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血糊のついたスコップと鎌、そして真っ赤な血溜まり。絶対に何かの事件現場だ。

モグラ対策と聞いて何も考えずのほほんとやってきたけど、実際は想像以上に直接的な ”対策” だった。これが ”モグラ叩き” か。

などと思いつつ畑に入っていくと

「あ、三浦さんお疲れさまです〜」とスズキくん。手に何か血塗られた袋を持っている。

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三浦「そそそれはなに!?」ドキドキ

スズキ「あ、唐辛子です〜」

なんだ唐辛子か。

「唐辛子」

なるほど。ちょっとビビって赤いものが全て血に見えていたが、唐辛子だった。

「モグラの穴に唐辛子を入れて、穴を足で踏み潰して歩くんです」

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「効くかはわかんないけど、いろいろ調べて良さそうだったんでやってみようかと」とのこと。

三浦「作物には影響ないの?」

スズキ「もしかしたら辛くなっちゃうかもしれません(笑)」

ちなみに本来は鷹の爪を使うらしいが、粉砕したものの方がインターネットで安く手に入ったということで使っているそうな。

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まさか唐辛子たちも食卓のここまで手前から応援することになるとは思いもしなかったであろう。

他にもモグラ対策で木酢液を薄めて撒くというものがあって、そうするとモグラやネズミは火事が起きたと勘違いして出ていくらしい。面白い。

イエノトナリ畑でモグラが大量発生しているのはなぜかと聞くと、こういうことらしい。

「この畑はもともと田んぼで有機物が少なかったから、この数年で一気に有機物が増えてミミズが大量発生しているんです。それを狙ってモグラがやってくるみたいです」

元・田んぼの畑ではよくあることらしい。本来は数年経って有機物が十分に分解されればミミズもいなくなって、モグラは自然にいなくなる。だからスズキくんとしては放っておきたいようだが、収穫のサイクルを早く回して欲しいという会社からのプレッシャーもあるとかないとかで頑張っているとかいないとか。

そんなことで只今絶賛激辛モグラ対策実施中ってことのようだ。がんばれスズキくん。

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見学ついでに畑を見渡してみると、夏の終わりと秋の始まりを同時に感じられるバイブスがあった。

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アスパラガスは人の背丈よりも伸びて、花やオレンジ色の実をつけていた。

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1〜2cmほどの小粒で味の濃いワイルドチェリートマトももう終盤。無肥料でもめちゃくちゃ実をつけてくれる強い品種らしく、今年もスズキ家の子供達の底無しの食欲を満たしてくれたようだ。食べてみると本当に味が濃い!かなり美味しいトマトである。

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今ちょうど元気なのがこのトーマス豆。尾道の向島でピッチフォークファームズをやっているトーマスからもらったからトーマス豆なのだそうだ。実際は鞍掛豆という品種。花をつけたばかりで、これから実っていくのが楽しみだ。

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そして秋冬に向けての種蒔きも始まっており、葉物野菜の芽が出始めている。今年は早めに蒔いてみたが早すぎて夏の虫に芽を喰われつつあるらしい。がんばれスズキくん。

その後畑のすぐ脇の河原で秋茗荷を採った。

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ものの5分で山盛り採れた。

「全く手をかけていない自然のものの方が手間のかかる畑よりたくさん収穫できるの微妙に納得いかない」と言いつつ楽しそうだったスズキくん。がんばれ。

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最後にスズキ宅の横にある鶏ゲル(ゲルのようなサーカステント型の鶏小屋)で鶏を愛でて解散。

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廃棄のブルーベリーをついばんでいた。贅沢や。

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地味にカモも混じっている。

個人的には茗荷が採れたのが嬉しかった今回の見学。やっぱ見れば見るほどスズキくんいろいろがんばってんなと感じた。引き続きがんばれスズキくん!