Google nest Wi-Fiの環境構築で学んだネットワークのお話

はじめに

先日、8年間使っていたBuffaloのルータが故障したため、Google Homeとの親和性を考え、Google nest Wi-Fiを購入しました。ネットのクチコミでは「設定が簡単」などと書いてあったのですが、システムエンジニアを名乗れないほど大苦戦したので、その備忘管理として本稿に書き残しておきます。

まだGoogle nest Wi-Fiを購入していない方はこちらの記事も参考までにご参照ください。

ネットワークの仕組み

まずはこれからネットワーク関連の専門用語が出てくるので、事前知識としていくつか解説したいとおもいます。冒頭で苦戦したと書いていた通り、ネットワークエンジニアでもないので、辞書的な解説(回線速度など今回の話と関係ないところについても割愛)になっているかもですが、そこはご了承ください。
※Google nest Wi-Fiの話だけでいいよ、という方は読み飛ばしてください。

○LANとWAN
・LAN(Local Area Network):建物内や施設内など、物理的に隣接した場所で機器を接続したネットワーク。
・WAN(Wide Area Network):都市間や国家間で張り巡らされているインターネットや通信事業者が敷設したネットワーク。

○モデムとONUとルータ
・モデム:デジタル信号と電話回線等のアナログ信号を相互に変換する装置。

昔、ADSLなどの電話回線でインターネット接続をしていた頃には使っていましたが、今は使ってもケーブルテレビくらいでしょうか。ADSL最大手のソフトバンクが2024年3月いっぱいでADSLのサービスを完全終了することを発表しているので、モデムという言葉も消えていくかもしれません。

・ONU(Optical Network Unit):光信号とデジタル信号を相互に変換する装置。

ONUを光モデムと言ったりすることもあるくらいにモデムと役割が似ています。私もお恥ずかしながら、信号の変換装置の総称としてモデムという言葉を使っていました・・・。

・ルータ:複数の端末をインターネットに接続するための機器。

モデムやONUが変換装置であるのに対し、ルータは中継機の役割を果たしています。ONUだけでも1台のPCを接続することは出来ますが、複数台の接続は出来ないため、ルータによって複数台の接続を可能にします。
今回購入したGoogle nest Wi-Fiはこのルータに当たる機器です。

○VDSL方式とLAN方式と光配線方式
・VDSL方式:光ファイバー+電話回線で接続。(家にモデムが必要)
・LAN方式:光ファイバー+LANケーブルで接続。
・光配線方式:光ファイバーのみで接続。

○DHCPと静的IPとPPPoE
・DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol):IPアドレスを自動的にクライアントに配布するプロトコル(通信規約)。
・静的IP:機器や人に対して固定で割り当てられたIPアドレス。
・PPPoE(Point-to-Point Protocol):アクセス権限(ユーザ名、パスワード)を通じて、ネットワークに接続するプロトコル。

我が家の環境

我が家は賃貸マンションかつLAN方式なので、壁にルータを直挿ししてこれまで使用出来ていました。契約としては、回線がドコモ光、プロバイダがニフティです。そんなニッチな契約もしてないですし、前回引っ越した際の設定も特段苦労することがなかったたため、回線設定も簡単に出来るものだと思っていました。というわけで、Google Homeアプリから接続設定を行なったところ、「あれ?上手くいかない。思ってたんと違う・・・。」となりました。

Google nest Wi-Fiのセットアップ

今回私が行なった手順は以下の通りです。(記憶ベースなので若干異なるかもです)
①Google Homeアプリを開き、左上の[+ボタン]を押下する。
②[デバイスのセットアップ]→[新しいデバイス]を押下する。
③家の選択をして[次へ]を押下する。(デバイスが検出される)
④セットアップするカテゴリで[Wi-Fi]を選択→Google nest Wi-Fiを選択。
⑤WANの設定を要求される。(DHCP/静的IP/PPPoEの入力を求められる)

結果、この⑤で詰みました。解決策としては、PPPoEの入力が必要だったのですが、次の章で何故PPPoEを入れないといけないのか、なぜすんなり接続できなかったかについて、見ていきたいと思います。

なぜセットアップ出来なかったのか

①DHCP/静的IP/PPPoEについて理解していなかった
今回、Google nest Wi-Fiで要求されたのはWANの設定であり、おうちで何も入力せずにプロバイダからIPアドレスが割り当てられるような美味しい世界があるわけありませんでした。ユーザ名とパスワードを入力したのちに、PPPoEで繋ぐというのも冷静に考えたら気付けたのかもしれないのですが、ユーザ名とパスワードが書いた紙面が見当たらず目を背けていたところもありました。ちなみに、静的IPについては、会社で出張した際に、そこの拠点のIPを一時的に借りて端末を繋いだりしていたので、そんなメモあるわけないと端から眼中にありませんでした。

②プロバイダの契約書類を紛失していた
これに関しては完全に自己責任ですが、ニフティに電話をして、本人確認後にユーザIDを教えてもらい、ユーザIDをはじめとした4点確認によってパスワードを変更することで、必要な情報を揃えることができました。作業時間は3分と言いたいところですが、なかなか電話が繋がらず10分ほどかかりました。書類は大切にしましょう。

おわりに

情報処理の学習やネットワークに関する本を1冊読んだりしたはずなのですが、知識としてインプットするだけでは意味がないということを身をもって学びました。手を動かさないと出来るようにならないシリーズとして、よくプログラミングが取り上げられておりますが、無限に手を動かせるプログラミングと違い、ネットワークの設定は仕事にでもしない限り、なかなか手を動かして理解する機会がないので、ある意味そういう場に遭遇できてラッキーだったかもしれません。
最後に、本稿を読んで同様の事象に悩まれている方の一助となれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?