『月刊RepTeen6月号』某地下アイドルインタビューより抜粋
レプタリアン(爬虫類人)に人気の女性ファッション誌『RepTeen』に掲載されていた某地下アイドルインタビューより抜粋
以下本文
___ 人間界で静かに暮らしたいレプタリアンに人気の職業の一つが地下 アイドルなのですが、どんな職業メリットがあるのですか?
地下アイドルなんていう職業やってると『営業』にしろ『プライベート』にしろセックス相手に困ることがまずありえないから、直接人肉を食べなくても相手の生殖器からの分泌液を摂取する程度で充分にやっていけるのよ。
人間にもラクト・ベジタリアンっているじゃない?
お肉食べないけど乳製品と無精卵は食べるってタイプのベジタリアン。
つまりあたしの食生活ってそれと同じことだよね。
この食べ方だと人間自ら喜んでレプタリアンの食い物になってくれるんだからこんなに素晴らしいことはないわ 笑
___ 確かに直接生きたままで食人行為をするとなると、情報や記憶の隠 蔽がメンドクサイっていうのがありますよね。
人間はレプタリアンを全員人食いだと勘違いしてるけど、あたし人肉は食べないなのね。
一番の理由は
「愛しても憎んでもいない相手のために悪目立ちしたり人間の法律でアレコレされるのがめんどくさい」
っていう極めて単純な理由なだけだけど。
___ 一瞬「人道的な」とか「良心の呵責」とか「人間への思いやり」
みたいな恐ろしい台詞を言い出すかと思って焦りました 笑
無い無い 笑
ただ「そういう設定」にしておくと人間は喜ぶだろうけどね。
さすがにそんな台詞を言うなんて羞恥プレイすぎて死ぬ 笑
一応人間とはwin-winの関係を心がけてはいるのよ。
一方的な搾取のや殺戮の結果で人間に返り討ちにされたりとか恨み買うとかそういうの時間の無駄だから
「あたしの欲望を満たすことが結果として、誰かが何かの得になるようには善処する」
って姿勢は崩さないようにしてる。
無駄なトラブルを避ける意味でも、人間を食べるのは『性的な意味だけ』で充分だわ。
戦争なんてものをする暇あったらセックスしてアニメ観てゲームやりたいんだってば 笑
___ たしかに「人間が作った作品は面白いけど人間そのものには興味は 無い」というレプタリアン、最近多いですもんね。
そうそう。アニメ、ゲーム、オカルト業界ってあたしたちの存在を普通に受け入れているからね、そういう意味でもラクだし。
たまに人間なのに
「どこであたしたちのことを観察してたのさ?!」
ってくらい写実的にレプタリアンの生態を見事に描写してる作家さんがいたりして面白いよね 笑
___人間界で暮らす上で最も大切なのが『擬態』ですが、そこはどうして いますか?
やっぱりいくら気をつけていたとしても、どうしても人間に擬態するのを忘れている瞬間ってあるじゃない?
それがあったところで、舞台上や撮影中だと『そういう演出』で済ませてくれるから、擬態が面倒、あるいは苦手な方にも、地下アイドルっていうのは楽に暮らしやすい職業なのでオススメです!
……と、ここまで読んだところで僕は雑誌から視線を上げた。
つまりアレか?
この地球上には
「地下アイドルをやっていて、アニメとゲームが好きで、セックスでは生尺ゴックンが大好きなレプタリアンが実在している」
ということか?
そう考えた瞬間、僕はたまらなく興奮して、右手で僕自身のことをしっかりと握りしめた。
その拍子に、僕自身の先から滲み出た透明の我慢涙が、表紙の上にたらりと落ちた。
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